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FortiGateのプロキシベースとフローベースの違いについて

FortiGateファイアウォールにおいて「プロキシベース(Proxy-based)」と「フローベース(Flow-based)」の2種類のインスペクションモード(検査方式)は、トラフィックの検査方法において大きく異なります。

それぞれの仕組み・特徴・メリット・デメリットを深掘りして解説します。

概要比較表

項目 プロキシベース(Proxy-based) フローベース(Flow-based)
処理方法 一度FortiGateが通信を受け取り、代理で処理する パケットをリアルタイムでスキャンしながら転送
処理タイミング コンテンツ全体を受信してから検査 通信中に逐次スキャン(ストリーミング)
検査精度 高い(フルコンテンツ解析) 通常は速いが一部検査精度が落ちることも
パフォーマンス 重い(特に大規模環境で) 軽い(スループット重視)
対応機能 詳細なウイルス検出・DLP・FortiSandbox連携など 一般的なAV・IPS・アプリ制御など
推奨用途 セキュリティ重視・コンテンツ制御が必要な環境 高パフォーマンスが求められる環境

プロキシベース(Proxy-based Inspection)の詳細

処理の流れ

  1. クライアントからのリクエストがFortiGateに届く。
  2. FortiGateが「プロキシ」として通信を代行。
  3. サーバーからのレスポンスをFortiGateがすべて受け取り、コンテンツ全体を解析
  4. 問題なければクライアントに転送。

特徴

  • フルコンテンツの検査が可能(ファイル全体を保持してから判断するため)。
  • DLP(Data Loss Prevention)やSSL復号後の精密検査に最適。
  • スキャン精度が高く、FortiSandbox連携で未知の脅威検知も可能。
  • メール・Web・FTPなど特定のプロトコルに強い

利点

  • 高度なセキュリティ対策が可能。
  • 悪意のあるコードや情報漏洩の精密検知。
  • ファイルサイズや内容に応じた柔軟なポリシー設定。

欠点

  • 処理が重くなりがち。多量のトラフィックや大容量ファイルで性能低下。
  • レイテンシ(遅延)が発生しやすく、リアルタイム性が求められる環境では不利。

フローベース(Flow-based Inspection)の詳細

処理の流れ

  1. パケットがFortiGateを通過する際に、
  2. ストリーム(リアルタイム)でインスペクションを実施。
  3. 通信を中断せず、継続的にスキャンしながら通過させる。

特徴

  • トラフィックの一部を検査しながら即時処理
  • ストリーミングAVやIPSなど、処理速度を優先
  • SSL復号も対応可能だが、一部機能はProxyより制限あり

利点

  • 高速処理が可能(ネットワーク性能を落とさない)。
  • 特にデータセンターや高速インターネット接続環境に適する
  • FortiASICやNP(Network Processor)との連携で高スループット。

欠点

  • 完全なコンテンツ分析ができない場合あり。
  • 高度なDLPや一部の詳細スキャン機能は利用できない。
  • 通信の一部しか見ないため、ゼロデイ攻撃や難解なマルウェア検出には不向きなことも。

どちらを選べばいいか?目的別の選定ガイド

利用シーン 推奨モード
ウイルス対策・ファイル検査の精度を最重視 プロキシベース
業務アプリの高速通信を維持したい フローベース
情報漏洩対策(DLP)を強化したい プロキシベース
高トラフィック・高スループット環境 フローベース
一般的なウェブ閲覧の制御・IPS フローベースで十分
電子メールの添付ファイルの検査 プロキシベース(特にFortiMail併用時)

モードの設定場所

FortiOSのGUIで以下のように設定可能です。

  1. ポリシーごとに設定可能(プロキシ / フロー)
    → セキュリティポリシーの中にある「インスペクションモード」で切替可能
  2. UTMプロファイルの適用
    各モードに応じて利用可能なセキュリティプロファイルが異なります。

注意点

  • 一部のUTMプロファイル(特にDLPや高度なWebフィルタ)は、Proxyモードでのみ有効
  • FortiOSのバージョンやモデルによって、サポートされる機能・パフォーマンスが異なるため、運用環境に応じたテストや設計が重要
  • 実際には、用途によって両者を使い分けるのが一般的(メールはProxy、WebはFlowなど)。

まとめ

観点 プロキシベース フローベース
セキュリティ重視
パフォーマンス重視
SSLインスペクション精度
サポートされる機能数 多い 限定的
ネットワーク遅延 発生しやすい 少ない

最適なモードはネットワークの目的・トラフィック量・セキュリティ要求に応じて決めることが重要です。

以上、FortiGateのプロキシベースとフローベースの違いについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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