FortiGateファイアウォールの運用において、「ポリシーID(Policy ID)」はセキュリティポリシーを一意に識別するための非常に重要な要素です。
ログ分析、ポリシーの管理、トラブルシューティングなど、あらゆる場面で活用される基盤情報となります。
ポリシーIDは、FortiGateに設定された各ファイアウォールポリシーに自動で割り当てられる一意の番号です。
この番号は、以下のような用途で使用されます。
FortiGateはトラフィックログに policyid
を含めて出力します。
これにより、どのポリシーによって通信が許可・拒否されたかを特定することができます。
ログ例
date=2025-06-25 time=14:22:01 policyid=5 action=accept src=192.168.1.10 dst=10.0.0.5 service=HTTP
この例では、「ポリシーID = 5」のルールが該当トラフィックを許可したことがわかります。
ポリシーIDはCLIでの設定変更や確認にも活用されます。
たとえば、ポリシーID 5 を編集する場合は以下のように操作します。
config firewall policy
edit 5
set action deny
next
end
また、現在のポリシー一覧を確認するには以下のように入力します。
config firewall policy
show
CLI上では各ポリシーが edit [ID]
という形式で表示され、そのブロック内に詳細な設定内容が続きます。
GUIで表示されるポリシーの「番号(表示順)」は、実際のポリシーIDとは異なります。
たとえGUI上でポリシーの並び順を変更しても、ポリシーIDは変わりません。
そのため、ログとポリシーを突き合わせる際は、表示順ではなくポリシーIDで照合することが重要です。
削除されたポリシーIDは、通常の運用では即座に再利用されることはありません。
ただし以下のケースでは再利用される可能性があります。
そのため、ログを分析する際にはポリシーIDだけに頼らず、ポリシーの中身(ソース/宛先/サービス/アクション)と組み合わせて確認することが推奨されます。
ポリシーIDはFortiGateによって自動的に割り振られるため、管理者が任意のIDを設定することはできません。
IDの付与順は作成された順番に依存しています。
ポリシーIDを特定して設定を確認する際は、以下のように edit [ID]
を含む行をgrepで検索するのが実用的です。
show firewall policy | grep -A 10 "edit 5"
policyid
という文字列は show
出力には明示されないため、edit
をキーワードに検索する方法が現実的です。
大規模な環境では、FortiAnalyzerやFortiManagerを使ってポリシーやログを一元管理することが一般的です。
これらのツールでは、ポリシーIDに加えてUUID(ユニバーサル一意識別子)を併用するケースが増えています。
たとえば
policyid
と policy-uuid
の両方をログフィルターとして使用可能項目 | 内容 |
---|---|
割り当て | FortiGateが自動で一意に割り当て |
主な用途 | ログ追跡、CLI編集、ポリシー管理 |
GUI番号との違い | GUIの表示順とは異なるため注意が必要 |
再利用の可能性 | 通常は即再利用されないが、条件次第で再利用されることもある |
手動設定 | 管理者による直接設定は不可 |
実務上の注意 | ログ分析では policyid に加えて設定条件も必ず確認する |
以上、FortiGateのポリシーIDについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。