パケットロスとは、インターネット通信中に送受信されるデータの一部である「パケット」が、途中で失われたり、リアルタイム通信で利用できるタイミングまでに届かなかったりする状態のことです。
Webサイトの閲覧やメールの送受信では気づきにくいこともありますが、ZoomやTeamsなどのビデオ会議、オンラインゲーム、IP電話、ライブ配信などでは影響が出やすくなります。
たとえば、パケットロスが発生すると、以下のような症状が起こることがあります。
特にリアルタイム性が重要な通信では、少しのパケットロスでも体感しやすいです。
Web閲覧やファイルダウンロードでは、失われたデータが再送されるため、音声のように一瞬途切れるというより、読み込みの遅さや速度低下として現れることがあります。
パケットロスの原因は1つとは限りません。
自宅のWi-Fi環境、ルーター、ONU、LANケーブル、利用中の端末、プロバイダ、接続先サーバーなど、さまざまな要素が関係します。
原因を大きく分けると、宅内側の問題、回線・プロバイダ側の問題、接続先サービス側の問題、ソフトウェア側の問題があります。
パケットロスの原因として多いのが、Wi-Fiの電波状態の悪さです。
Wi-Fiは無線通信のため、ルーターから離れていたり、壁・床・家具・家電などの障害物があったりすると、通信が不安定になります。
その結果、再送が増えたり、通信の遅延が大きくなったりして、パケットロスのような症状が出やすくなります。
特に、以下のような環境では注意が必要です。
Wi-Fiの電波が弱いと、通信速度が落ちるだけでなく、接続そのものが不安定になりやすくなります。
Wi-Fiは、周囲の電波環境の影響も受けます。
特にマンションやアパート、オフィスなどでは、近隣のWi-Fiルーターが同じ周波数帯や近いチャンネルを使っていることがあります。
その場合、電波が混雑して通信品質が悪化し、パケットロスの原因になることがあります。
また、2.4GHz帯のWi-Fiは、電子レンジ、Bluetooth機器、ワイヤレスマウス、コードレス電話などと干渉しやすいです。
Wi-Fiの周波数帯には、主に以下のような特徴があります。
| 周波数帯 | 特徴 | 向いている環境 |
|---|---|---|
| 2.4GHz | 障害物に比較的強いが、混雑しやすい | ルーターから少し離れた部屋 |
| 5GHz | 高速で干渉が少ないが、壁や距離に弱い | ルーターに近い部屋 |
| 6GHz | 混雑しにくく高速だが、対応機器が必要 | Wi-Fi 6E・Wi-Fi 7対応環境 |
5GHzや6GHzに切り替えると改善する場合がありますが、必ず安定するとは限りません。
ルーターから遠い場所や、壁を何枚も挟む環境では、2.4GHzの方が安定することもあります。
自宅やオフィスに設置されているルーター、ONU、ホームゲートウェイなどの通信機器が不安定になっている場合も、パケットロスの原因になります。
長期間電源を入れっぱなしにしていると、一時的な不具合が起きたり、機器の処理が不安定になったりすることがあります。
また、ルーターが古い場合、現在の通信量や接続台数に対応しきれず、通信品質が低下することもあります。
以下のような場合は、ルーターやONU側に原因がある可能性があります。
ただし、ルーターを数年使っているだけで必ず不具合が出るわけではありません。
頻繁に再起動しないと安定しない、接続台数に対して性能が不足している、メーカーのサポートが終了しているといった場合は、買い替えを検討してもよいでしょう。
インターネット回線が混雑していると、通信速度が低下したり、遅延やパケットロスが発生したりすることがあります。
特に夜間や休日など、多くの人がインターネットを使う時間帯は、回線やプロバイダ設備が混雑しやすくなります。
以下のような場合は、回線混雑の可能性があります。
回線の混雑は、利用者側だけで完全に解決するのが難しいケースもあります。
特に、マンション共有型の光回線、ケーブルテレビ回線、モバイル回線、ホームルーターなどでは、利用者が集中する時間帯に通信品質が低下することがあります。
パソコン、スマートフォン、タブレット、ゲーム機など、利用している端末側に問題がある場合もあります。
たとえば、Wi-Fiアダプターが古い、OSやドライバーが古い、バックグラウンドで大量の通信が行われている、セキュリティソフトが通信を検査している、といったケースです。
以下のような場合は、端末側の問題も疑われます。
複数の端末で同じ症状が出る場合は、端末ではなく、ルーターや回線側に原因がある可能性が高くなります。
有線LAN接続でも、パケットロスは発生します。
有線LANはWi-Fiより安定しやすいですが、LANケーブルが劣化していたり、コネクタが緩んでいたり、ケーブルが強く折れ曲がっていたりすると、通信が不安定になることがあります。
主な原因は以下の通りです。
1Gbps程度の通信であれば、Cat5eのLANケーブルでも規格上は対応できます。
パケットロス対策としては、ケーブルのカテゴリを上げることよりも、断線や接触不良、強い折れ曲がりがないかを確認することが重要です。
買い替える場合は、一般家庭ではCat6以上のLANケーブルを選ぶと使いやすいでしょう。
家庭内やオフィス内で多くの端末が同時にインターネットを使っていると、ルーターや回線に負荷がかかります。
特に、以下のような通信は帯域を大きく使います。
通信量が多い端末があると、他の端末の通信が不安定になり、パケットロスや遅延が発生することがあります。
特に見落としやすいのが、アップロード通信です。
クラウドバックアップ、動画アップロード、オンラインストレージの同期などが動いていると、ビデオ会議やオンラインゲームに影響することがあります。
VPNを使っている場合、通信経路が通常より複雑になるため、遅延やパケットロスが起きやすくなることがあります。
VPNでは、通信がVPNサーバーを経由します。
そのため、VPNサーバーの混雑、サーバーまでの距離、暗号化処理の負荷などが通信品質に影響します。
また、セキュリティソフトやファイアウォールが通信を細かく検査している場合、特定のアプリや通信だけが不安定になることもあります。
業務用VPNを利用している場合は、自己判断で無効化し続けるのではなく、会社のルールに従い、必要に応じて情報システム部門に相談しましょう。
自宅の機器や端末に問題がなくても、プロバイダや通信会社側で障害、混雑、設備トラブルが起きている場合があります。
以下のような場合は、通信会社側の問題を疑います。
この場合、利用者側でできる対処は限られます。
状況を整理したうえで、通信会社やプロバイダに問い合わせる必要があります。
自分の回線ではなく、接続先のサービス側に問題がある場合もあります。
たとえば、特定のWebサイト、オンラインゲーム、動画配信サービス、クラウドサービスだけで問題が起きる場合は、そのサービス側の混雑や障害が原因かもしれません。
他のサイトやアプリでは問題がないのに、特定のサービスだけ不安定な場合は、接続先サーバーやその通信経路に原因がある可能性があります。
パケットロスを改善するには、原因に合わせて対処することが大切です。
原因がわからない場合は、簡単に試せる方法から順番に確認していきましょう。
まず試したいのが、ルーターやONUの再起動です。
一時的な不具合であれば、再起動だけで改善することがあります。
特に、長期間電源を入れっぱなしにしている場合や、急に通信が不安定になった場合は有効です。
手順は以下の通りです。
電源を切ってすぐ入れるより、少し待ってから再起動する方がよいです。
ただし、頻繁に再起動しないと改善しない場合は、機器の劣化、設定の問題、処理能力不足などが考えられます。
ビデオ会議、オンラインゲーム、ライブ配信、在宅勤務のVPN接続など、安定性が重要な用途では、有線LAN接続が効果的です。
Wi-Fiは電波状況や干渉の影響を受けますが、有線LANは電波の影響を受けません。
そのため、パケットロスや通信の揺らぎを減らしやすくなります。
特に以下の用途では、有線LAN接続がおすすめです。
有線LANにして改善する場合、原因はWi-Fi環境にある可能性が高いです。
Wi-Fiを使う場合は、ルーターの置き場所を見直すだけでも改善することがあります。
Wi-Fiルーターは、できるだけ家の中心に近く、高い位置に置くのが理想です。
周囲に障害物が少なく、端末から見通しのよい場所に置くと、電波が届きやすくなります。
避けた方がよい置き場所は以下の通りです。
Wi-Fiの電波は障害物の影響を受けるため、ルーターを少し移動するだけでも通信品質が改善することがあります。
2.4GHz帯のWi-Fiを使っている場合は、5GHz帯や6GHz帯に切り替えることで改善する場合があります。
2.4GHz帯は障害物に比較的強い一方で、混雑しやすく、電子レンジやBluetooth機器の影響を受けやすいです。
5GHz帯は比較的高速で干渉が少ないため、ルーターの近くで使う場合に向いています。
また、Wi-Fi 6EやWi-Fi 7に対応した機器であれば、6GHz帯を利用できる場合もあります。
6GHz帯は混雑しにくいというメリットがありますが、端末とルーターの両方が対応している必要があります。
ただし、5GHz帯や6GHz帯は壁や距離に弱い傾向があります。
ルーターから遠い部屋では、2.4GHz帯の方が安定することもあるため、実際の環境に合わせて使い分けましょう。
周囲のWi-Fiとチャンネルが重なっている場合、Wi-Fiチャンネルを変更することで改善することがあります。
特に集合住宅やオフィスでは、多くのWi-Fiが同じ周波数帯を使っているため、電波干渉が起こりやすくなります。
ただし、最近のルーターは自動で空いているチャンネルを選ぶ機能を備えていることが多いです。
そのため、まずは以下の順番で試すとよいでしょう。
設定に慣れていない場合は、無理に手動変更せず、メーカーのマニュアルやサポートを確認しながら行いましょう。
有線LAN接続でパケットロスが起きる場合は、LANケーブルを交換してみましょう。
見た目に問題がなくても、内部で断線しかけている場合があります。
また、コネクタ部分が緩んでいたり、ケーブルが強く曲がっていたりすると、通信が不安定になることがあります。
確認するポイントは以下の通りです。
家庭用の1Gbps回線であればCat5eでも対応できますが、新しく購入するならCat6以上を選ぶと安心です。
ルーターのファームウェアが古いと、通信の不具合やセキュリティ上の問題が残っている場合があります。
メーカーの管理画面や専用アプリから、ファームウェアアップデートがないか確認しましょう。
ファームウェア更新によって、以下のような改善が期待できる場合があります。
ただし、更新中に電源を切ると故障の原因になることがあります。
更新作業は、メーカーの案内に従って慎重に行いましょう。
ルーターが古い場合は、買い替えによって改善することがあります。
特に、以下に当てはまる場合は、買い替えを検討してもよいでしょう。
現在は、スマートフォン、パソコン、テレビ、ゲーム機、スマート家電など、多くの端末が同時に接続されます。
古いルーターでは処理しきれないことがあるため、利用環境に合った機種を選ぶことが大切です。
家庭内やオフィス内で通信量が多い場合は、接続台数や通信量を減らすことで改善することがあります。
具体的には、以下の対策が有効です。
特に、ビデオ会議やオンラインゲーム中は、他の端末で大容量通信が行われていないか確認しましょう。
ルーターにQoS機能がある場合、特定の通信を優先することでパケットロスや遅延を抑えられることがあります。
QoSとは、通信の優先順位を制御する機能です。
たとえば、オンライン会議、ゲーム、IP電話などを優先すれば、他の通信が多いときでも安定しやすくなる場合があります。
ただし、QoSは万能ではありません。
家庭内で動画視聴やクラウド同期が同時に行われている場合には有効なことがありますが、プロバイダ側の混雑や接続先サーバー側の問題までは解決できません。
また、設定を誤ると逆に通信が遅くなることもあります。
利用する場合は、ルーターのマニュアルを確認しながら設定しましょう。
VPN利用中にだけパケットロスが発生する場合は、VPNが原因の可能性があります。
確認するには、VPNを使わない状態と使っている状態で通信品質を比較します。
ただし、業務用VPNの場合は、会社のルールに従って確認しましょう。
VPNが原因と考えられる場合は、以下の対策を試します。
VPNはセキュリティ上重要な役割を持つこともあるため、自己判断で無効化し続けるのは避けましょう。
セキュリティソフトやファイアウォールが通信を過剰に検査していると、特定のアプリだけ通信が不安定になることがあります。
一時的に停止して改善するか確認する方法もありますが、セキュリティリスクがあるため注意が必要です。確認後は必ず元に戻しましょう。
特定のアプリだけ不安定な場合は、セキュリティソフト側で例外設定を追加することで改善することもあります。
端末側のOSやネットワークドライバーが古い場合、通信が不安定になることがあります。
Windowsパソコンでは、Wi-FiアダプターやLANアダプターのドライバー更新が有効な場合があります。
Macやスマートフォンでも、OSアップデートによって通信の不具合が修正されることがあります。
ただし、業務用端末の場合は、会社の管理方針に従って更新しましょう。
日本の固定回線では、夜間の混雑対策としてIPv6 IPoE接続やIPv4 over IPv6が有効な場合があります。
従来のPPPoE方式では、時間帯によって混雑が起きやすいケースがあります。
一方、IPv6 IPoE方式は、PPPoEよりも混雑の影響を受けにくい場合があり、通信速度や安定性の改善につながることがあります。
ただし、IPv6 IPoEにすれば必ずパケットロスが直るわけではありません。
以下のような原因の場合は、IPv6 IPoEにしても改善しない可能性があります。
IPv6 IPoEを利用するには、契約中のプロバイダやルーターが対応している必要があります。
夜だけ極端に遅い場合や、PPPoE接続を使っている場合は、対応状況を確認してみるとよいでしょう。
パケットロスを直すには、まず本当にパケットロスが起きているのか、どこで起きているのかを確認することが重要です。
ここでは、基本的な確認方法を紹介します。
パケットロスを確認する基本的な方法が、pingコマンドです。
Windowsの場合は、コマンドプロンプトを開いて以下のように入力します。
ping 8.8.8.8 -n 50
Macの場合は、ターミナルで以下のように入力します。
ping -c 50 8.8.8.8
実行結果に「損失」や「packet loss」と表示されます。
たとえば、50回送信して1回失敗した場合、パケットロス率は2%です。
ただし、8.8.8.8へのpingは、インターネット接続の状態を確認するための目安です。
Zoom、Teams、オンラインゲームなどの実際の通信経路とは異なる場合があるため、結果はあくまで切り分けの参考として見ましょう。
自宅内のWi-FiやLANに問題があるかを確認したい場合は、自宅ルーターにpingを送ります。
一般的には、以下のようなIPアドレスが使われます。
ping 192.168.1.1 -n 50
または、
ping 192.168.0.1 -n 50
ルーターへのpingでパケットロスが出る場合、自宅内のWi-Fi、有線LAN、ルーター、端末側に問題がある可能性が高いです。
一方、ルーターへのpingは正常で、外部へのpingだけロスが出る場合は、回線、プロバイダ、接続先サーバー側の問題が疑われます。
通信経路を確認するには、tracertやtracerouteを使います。
Windowsの場合は以下です。
tracert 8.8.8.8
Macの場合は以下です。
traceroute 8.8.8.8
通信経路の途中で応答が遅い場所や、応答が返ってこない場所が見つかる場合があります。
ただし、途中の機器はpingやtracerouteへの応答を制限していることがあります。
そのため、途中で応答がないからといって、必ず障害とは限りません。
また、途中のホップだけで応答が遅く、最終宛先への応答が安定している場合は、その中継機器がICMP応答を低い優先度で処理しているだけの可能性もあります。
tracerouteでは、途中の結果だけでなく、最終宛先までの通信が安定しているかを見ることが大切です。
Zoom、Teams、一部のオンラインゲーム、配信ソフトなどには、通信品質を確認できる機能が用意されている場合があります。
このような機能では、パケットロスだけでなく、遅延やジッターも確認できることがあります。
ビデオ会議やオンラインゲームで問題が出ている場合は、一般的なpingテストだけでなく、実際に使っているアプリ側の診断情報も確認するとよいでしょう。
パケットロス率は、低いほど良いです。
ただし、許容範囲は用途によって異なります。
Web閲覧やメールでは多少のロスに気づきにくいことがありますが、ビデオ会議、IP電話、オンラインゲームでは1%未満でも違和感が出る場合があります。
以下は、あくまで一般的な目安です。
| パケットロス率 | 状態の目安 |
|---|---|
| 0% | 理想的な状態 |
| 1%未満 | 通常利用では大きな問題になりにくい |
| 1〜2% | ビデオ会議やゲームで違和感が出ることがある |
| 3〜5% | 音声途切れ、映像の乱れ、ラグが目立ちやすい |
| 5%以上 | 通信品質に大きな問題がある可能性が高い |
特にリアルタイム通信では、パケットロス率だけでなく、遅延やジッターも重要です。
パケットロスとあわせて確認したいのが、ジッターです。
ジッターとは、通信の遅延時間のばらつきのことです。
たとえば、通常は一定の間隔で届くはずのデータが、早く届いたり遅く届いたりする状態を指します。
パケットが完全に失われていなくても、届くタイミングが不安定だと、音声の途切れや映像の乱れにつながることがあります。
パケットロスは、データが届かない状態です。
一方、ジッターは、データが届くタイミングが不安定な状態です。
どちらもビデオ会議やオンラインゲーム、IP電話などの品質に影響します。
| 項目 | 意味 | 主な症状 |
|---|---|---|
| パケットロス | データが失われる、または使えるタイミングまでに届かない | 音声途切れ、映像の乱れ、ラグ |
| 遅延 | データが届くまでの時間が長い | 反応が遅い、会話に間が出る |
| ジッター | 遅延時間にばらつきがある | 音声や映像が不安定になる |
ビデオ会議やオンラインゲームでは、通信速度だけでなく、パケットロス、遅延、ジッターを総合的に確認することが大切です。
パケットロスは、やみくもに対処するより、原因を切り分けながら確認した方が早く解決できます。
まず、問題が1台だけで起きているのか、複数台で起きているのかを確認します。
1台だけで起きている場合は、その端末のWi-Fi設定、LANアダプター、OS、セキュリティソフト、VPNなどが原因の可能性があります。
複数台で同じ症状が出る場合は、ルーター、ONU、Wi-Fi環境、回線、プロバイダ側の問題が考えられます。
次に、Wi-Fi接続と有線LAN接続で違いを確認します。
有線LANで改善する場合は、Wi-Fiの電波状態や干渉が原因の可能性が高いです。
有線LANでも改善しない場合は、ルーター、ONU、回線、プロバイダ、接続先サーバー側の問題が考えられます。
朝や昼は問題ないのに、夜だけパケットロスが出る場合は、回線混雑の可能性があります。
特に20時〜24時ごろに悪化する場合は、家庭内の利用集中や、プロバイダ側の混雑が関係していることがあります。
時間帯によって症状が変わるかを確認すると、原因の切り分けがしやすくなります。
すべての通信で問題が出るのか、特定のサービスだけで問題が出るのかも確認しましょう。
たとえば、Zoomだけ不安定、特定のゲームだけラグい、特定のWebサイトだけ遅いという場合は、そのサービス側の問題や、通信経路上の問題も考えられます。
一方、どのサービスでも不安定な場合は、自宅のネットワーク環境や回線側の問題を疑います。
ここでは、よくある症状ごとに対処法を紹介します。
ビデオ会議で音声が途切れる場合は、通信速度よりも安定性が重要です。
まずは以下を試しましょう。
通信が不安定なときは、カメラをオフにするだけでも改善することがあります。
ビデオ会議では、映像よりも音声の安定性を優先するとよいでしょう。
オンラインゲームでは、通信速度だけでなく、ping値、ジッター、パケットロスが重要です。
対処法としては以下が有効です。
オンラインゲームでは、速度測定で十分なMbpsが出ていても、パケットロスやジッターがあると快適にプレイできません。
なお、NATタイプは、パケットロスそのものの直接原因とは限りません。
ただし、ゲームのマッチング、P2P通信、ボイスチャットの接続性に影響する場合があります。
オンラインゲームの接続が不安定な場合は、あわせて確認するとよいでしょう。
動画視聴では、多少の通信変動をバッファで吸収できます。
しかし、ライブ配信や高画質視聴では、パケットロスや遅延の影響を受けやすくなります。
以下を試しましょう。
配信する側の場合は、アップロード速度と安定性が特に重要です。
上り回線でパケットロスが起きると、視聴者側に映像の乱れが出ることがあります。
スマートフォンだけ通信が不安定な場合は、端末側の設定やアプリが原因になっていることがあります。
以下を試してみましょう。
スマートフォンだけ不安定で、PCや他の端末は問題ない場合、スマートフォン側の設定やWi-Fiチップとの相性が原因のこともあります。
有線LANでもパケットロスが出る場合は、Wi-Fi以外の原因を疑います。
確認したいポイントは以下の通りです。
有線LANでも複数端末で同じ症状が出る場合は、ルーター、ONU、回線、プロバイダ側に原因がある可能性が高くなります。
基本的な対処を試しても改善しない場合は、通信会社やプロバイダへの問い合わせ、機器の初期化、回線の見直しなどを検討します。
有線LANでもパケットロスが出る、複数端末で同じ症状が出る、ルーターを再起動しても改善しない場合は、通信会社やプロバイダに問い合わせましょう。
問い合わせる前に、以下の情報をまとめておくとスムーズです。
「ネットが遅い」だけでは、原因が伝わりにくいです。
以下のように具体的に伝えると、状況を説明しやすくなります。
有線LAN接続でも、20時〜23時ごろに外部へのpingで3〜5%程度のパケットロスが出ます。複数端末で同じ症状が出ており、ルーターとONUの再起動をしても改善しません。
このように、発生条件と確認結果を伝えることが大切です。
設定の不具合が疑われる場合は、ルーターの初期化で改善することがあります。
ただし、初期化は基本的に最後の手段です。
初期化すると、プロバイダ接続設定、Wi-Fi名、Wi-Fiパスワード、ポート開放、固定IP設定、VPN設定などが消える場合があります。
初期化する前に、以下を確認しておきましょう。
不安な場合は、先に通信会社やメーカーサポートに相談するのが安全です。
毎日のように夜間にパケットロスが出る、有線LANでも不安定、プロバイダに問い合わせても改善しないという場合は、回線やプロバイダの乗り換えも選択肢になります。
特に以下のような場合は検討してもよいでしょう。
ただし、乗り換え前に、ルーター、LANケーブル、Wi-Fi環境、IPv6 IPoE対応状況などを確認しておくことが大切です。
パケットロスを完全にゼロにし続けることは難しいですが、発生しにくい環境を作ることはできます。
日常的には、以下を意識するとよいでしょう。
特に、ビデオ会議やオンラインゲーム、ライブ配信などをよく使う場合は、通信速度だけでなく、安定性を重視することが大切です。
パケットロスとは、通信中のデータが途中で失われたり、リアルタイム通信で利用できるタイミングまでに届かなかったりする状態のことです。
Web閲覧では気づきにくいこともありますが、ZoomやTeamsなどのビデオ会議、オンラインゲーム、IP電話、ライブ配信では、音声の途切れ、映像の乱れ、ラグとして現れやすくなります。
主な原因には、Wi-Fiの電波不良、電波干渉、ルーターやONUの不具合、LANケーブルの劣化、回線混雑、端末側の問題、VPNやセキュリティソフトの影響、プロバイダ側の障害、接続先サーバー側の問題などがあります。
まずは、ルーターやONUの再起動、Wi-Fiから有線LANへの切り替え、ルーターの設置場所の見直し、LANケーブルの交換、接続台数や通信量の削減から試すとよいでしょう。
原因を切り分ける際は、複数端末で起きるか、有線LANでも起きるか、時間帯によって変わるか、特定サービスだけで起きるかを確認することが重要です。
有線LANでも複数端末でパケットロスが続く場合は、自宅内ではなく、回線やプロバイダ側に原因がある可能性があります。
その場合は、pingテストの結果や発生時間帯を整理したうえで、通信会社やプロバイダに相談しましょう。
以上、パケットロスの原因の直し方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。