FortiGate(フォーティゲート)はFortinet社が提供する次世代ファイアウォール(NGFW:Next Generation Firewall)で、多層的なセキュリティ機能を提供することで知られています。
FortiGateの機種は多岐に渡り、小規模オフィスから大企業、データセンター、クラウド環境まで幅広く対応しています。
ここでは、FortiGateの機種選定のポイントについて、ネットワーク規模、使用目的、必要な機能、パフォーマンス要件などの観点から詳しく解説します。
FortiGateの機種は、大まかに次のような用途別に分類されます。
用途 | 想定環境 | 対応機種の例 |
---|---|---|
SOHO / 小規模オフィス | 数人〜数十人 | FG-40F、FG-60F、FG-70F |
中規模オフィス | 数十〜数百人 | FG-100F、FG-200F、FG-300E |
大企業・支社集約拠点 | 数百〜千人規模 | FG-600E、FG-1000F |
データセンター/ISP | 数千〜 | FG-1800F、FG-4200F、FG-7000Fシリーズ |
チェック項目例
FortiGateには複数のスループット指標があります。
以下の各項目を確認し、自社のトラフィック量と照らし合わせて選定します。
スループット指標 | 説明 |
---|---|
Firewall Throughput | 単純なファイアウォール処理の最大通信速度 |
Threat Protection Throughput | IPS、AV、App Control などの統合セキュリティ機能を有効にした状態での速度 |
NGFW Throughput | 次世代ファイアウォール(NGFW)機能を有効にした時の実効速度 |
SSL Inspection Throughput | SSL/TLS復号処理を含めた時のパフォーマンス |
Point
SSL復号や全セキュリティ機能ON時のスループットが実際の使用感に最も近いです。
以下のような機能の使用予定がある場合、それに適した機種・ライセンスが必要です。
機能 | 注意点 |
---|---|
IPS / Antivirus / Web Filtering | 高度なセキュリティが必要な場合、Threat Protectionスループットが重視される |
SSLインスペクション | パフォーマンスに大きく影響するため、専用プロセッサ搭載モデルが望ましい |
VPN(IPSec / SSL) | セッション数とVPNスループットの確認必須 |
SD-WAN | 対応機種とライセンス確認(近年は標準搭載) |
ハイアベイラビリティ(HA)構成 | HA対応の可否・冗長ポートの有無も確認 |
ネットワーク構成に応じて、以下のような物理ポートの要件を確認
例
小規模オフィスならギガビットポート8個程度で十分だが、データセンターでは10G/40G対応が必要になるケースも。
FortiGateはハードウェアだけでなく、ライセンスの組み合わせによって真価を発揮します。
主なライセンスは以下の通り。
ライセンス種別 | 内容 |
---|---|
UTP(Unified Threat Protection) | IPS、AV、Web Filter など基本セキュリティ |
Enterprise Bundle | UTP + サンドボックス、CASB、DNSフィルタ等を含む上位 |
24x7 サポート | ハード故障時の交換やテクニカルサポートなど |
FortiCare / FortiGuard | ハード保守・クラウドベースセキュリティ情報の提供 |
注意
安価なモデルに安価なライセンスを入れても、機能を使い切れない or パフォーマンスが出ないことも。
ネットワーク拡張やクラウド対応(例:FortiManager連携、FortiAnalyzer連携)を視野に入れる場合、以下のような観点も重要です。
観点 | 検討内容 |
---|---|
利用規模 | 同時接続数・ユーザー数・拠点数 |
パフォーマンス | Threat Protection・SSL復号など実使用に近い性能値 |
必要機能 | IPS, AV, SD-WAN, VPN, HAなど機能要件の確認 |
ポート構成 | ギガ・10G・SFP+等のポート数と種類 |
ライセンス | セキュリティ機能やサポートをどう構成するか |
拡張性 | 未来のネットワーク成長・クラウド連携対応 |
以上、FortiGateの機種選定のポイントについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。