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FortiGateでスループットが遅い場合の対処法について

FortiGateでスループット(通信速度やデータ処理量)が遅いと感じる場合、原因は多岐にわたります。

ハードウェアリソースの問題から設定ミス、不要な機能の有効化まで、さまざまな要素がパフォーマンスに影響します。

以下に、体系的なトラブルシューティングの手順と改善方法を詳しく解説します。

【基本チェック】ハードウェアとファームウェアの状況確認

ファームウェアのバージョン確認とアップデート

  • 古いバージョンのファームウェアでは、バグや非最適なパフォーマンスが含まれていることがあります。
  • Fortinetのサポートページで最新の安定版ファームウェアを確認してください。

リソース使用率の確認

CLIまたはGUIで次のコマンドを実行して、リソースの使用状況を確認します。

get system performance top

  • CPU使用率が80%以上常時使用されている場合は過負荷の兆候。
  • メモリ使用率が高い(特にswap使用)と、処理速度に悪影響。

【ネットワーク構成】ルーティング・物理接続の見直し

ネットワークインターフェースの速度・デュプレックス設定

インターフェースが正しくネゴシエーションされていないと、通信速度に影響します。

diagnose hardware deviceinfo nic port1

  • Speed: 1000Mbps full duplex などと表示されているか確認
  • オートネゴシエーションが失敗して10Mbpsになっているなど、速度低下の原因になります。

ケーブル・スイッチの状態確認

  • 不良ケーブル・ポートの断続的な接続は速度に悪影響。
  • 別ポート・別ケーブルで検証してみるのも手。

【FortiGateの機能】重いサービスや不要な機能をオフにする

UTM機能(Antivirus, Web Filtering, Application Control)

  • これらの機能はCPUリソースを大きく消費します。
  • すべてのトラフィックに適用されていないか確認。

改善策

  • 特定のセグメントのみに適用範囲を限定する。
  • 必要ないサービスはポリシーから除外する。

Logging(ログの過剰出力)

  • 詳細なログ(セッションごとなど)を全トラフィックに対して行うと、処理負荷が増加します。
  • 通常は「セキュリティイベントのみ」や「ログは必要なポリシーだけ」にするのが望ましい。

【セッション・フロー管理】セッション数の確認と調整

同時セッションの上限確認

get system performance status

  • Session countSession setup rate に対して極端に高い場合、処理が滞っている可能性。

NP (Network Processor) の使用状況確認

FortiGateにはASICが搭載されているモデルがあり、高速転送に利用されています。

これがうまく活用されていないとソフトウェアルーティングとなり、遅くなります。

diagnose npu np6 status

  • セッションがNPによって処理されているか(offloaded sessions)を確認。
  • されていない場合、セッションの条件や設定(例:SSL Inspection)が原因。

【インスペクションとSSL】ディープパケットインスペクションの見直し

SSL Inspection(SSL復号)

  • デフォルトで「full inspection」が有効になっていると大幅にスループットが下がります。
  • 「certificate-inspection(証明書の確認のみ)」に変更することで、速度が大幅に改善されることがあります。

【診断ツール】パフォーマンス測定とログ調査

diag debug flow コマンドでフロー調査

どこで処理に遅延が発生しているかを確認可能。

diag debug enable
diag debug flow filter addr <クライアントIP>
diag debug flow show console enable
diag debug flow trace start 100

diag sys top でCPUプロセス確認

どのプロセスがCPUを多く使っているかを確認し、該当機能を見直します。

【ベストプラクティス】構成最適化のヒント

項目 推奨設定・対応
ルーティング スタティック経路の見直し、ポリシールーティングが過剰でないか
DNS FortiGuard DNSのレスポンス遅延があると全体に影響するため、内部DNSを使用
MTU MTUミスマッチによる断続的なパケット再送を防ぐため、正しいMTUを設定
HA構成 アクティブ/パッシブでの同期が過負荷になっていないかを確認

【それでも改善しない場合】さらに深掘り調査へ

  • Fortinet TAC(テクニカルサポート)にログを添えて相談
  • packet capture によるトラフィック遅延のポイントの特定
  • 実際の帯域測定(iperfやFortiTesterなど)で理論値との差を可視化

まとめ

FortiGateのスループット低下は、「設定ミス」「機能過多」「ハードウェア負荷」「トラフィックの性質」など複数の要素が絡んでいることが多くあります。

以下の順序で対応すると効果的です。

  1. ハード・ファームウェアの正常性確認
  2. インターフェースとケーブルの物理レイヤ見直し
  3. UTM機能やログの最適化
  4. SSLインスペクションの負荷軽減
  5. 診断ツールを使ったボトルネック特定

以上、FortiGateでスループットが遅い場合の対処法についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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