FortiGateでスループット(通信速度やデータ処理量)が遅いと感じる場合、原因は多岐にわたります。
ハードウェアリソースの問題から設定ミス、不要な機能の有効化まで、さまざまな要素がパフォーマンスに影響します。
以下に、体系的なトラブルシューティングの手順と改善方法を詳しく解説します。
CLIまたはGUIで次のコマンドを実行して、リソースの使用状況を確認します。
get system performance top
インターフェースが正しくネゴシエーションされていないと、通信速度に影響します。
diagnose hardware deviceinfo nic port1
改善策
get system performance status
Session count
が Session setup rate
に対して極端に高い場合、処理が滞っている可能性。FortiGateにはASICが搭載されているモデルがあり、高速転送に利用されています。
これがうまく活用されていないとソフトウェアルーティングとなり、遅くなります。
diagnose npu np6 status
offloaded sessions
)を確認。diag debug flow
コマンドでフロー調査どこで処理に遅延が発生しているかを確認可能。
diag debug enable
diag debug flow filter addr <クライアントIP>
diag debug flow show console enable
diag debug flow trace start 100
diag sys top
でCPUプロセス確認どのプロセスがCPUを多く使っているかを確認し、該当機能を見直します。
項目 | 推奨設定・対応 |
---|---|
ルーティング | スタティック経路の見直し、ポリシールーティングが過剰でないか |
DNS | FortiGuard DNSのレスポンス遅延があると全体に影響するため、内部DNSを使用 |
MTU | MTUミスマッチによる断続的なパケット再送を防ぐため、正しいMTUを設定 |
HA構成 | アクティブ/パッシブでの同期が過負荷になっていないかを確認 |
packet capture
によるトラフィック遅延のポイントの特定FortiGateのスループット低下は、「設定ミス」「機能過多」「ハードウェア負荷」「トラフィックの性質」など複数の要素が絡んでいることが多くあります。
以下の順序で対応すると効果的です。
以上、FortiGateでスループットが遅い場合の対処法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。