FortiGate(フォーティゲート)はファイアウォール機能に加え、高度なルーティング機能も備えています。
ネットワークのトラブルシューティングや設計の検証には、正確なルーティングテーブル(経路情報)の把握が不可欠です。
本ガイドでは、CLI・GUIの両方を使ってFortiGateのルート情報を確認する方法を詳しく解説します。
FortiGateではCLIからルーティングの詳細情報を得ることができます。
SSH接続やGUI上のCLI Consoleからアクセス可能です。
get router info routing-table all
このコマンドは、FortiGateが実際に使用しているルート(FIB:Forwarding Information Base)を一覧表示します。
ここには、静的ルート・OSPF・BGP・直接接続ルートなど、現在ルーティングに使用されているすべてのエントリが含まれます。
目的 | コマンド |
---|---|
静的ルートのみ表示 | get router info routing-table static |
直接接続ルートのみ表示 | get router info routing-table connected |
OSPFルートのみ表示 | get router info routing-table ospf |
BGPルートのみ表示 | get router info routing-table bgp |
RIPルートのみ表示 | get router info routing-table rip |
宛先IPアドレスに対して、FortiGateがどの経路を選択しているかを確認するには、以下のコマンドを使います。
diagnose ip route list <宛先IP>
例
diagnose ip route list 8.8.8.8
このコマンドにより、宛先 8.8.8.8
に対して使用されるネクストホップ、インターフェース、ルートタイプ(静的・OSPFなど)が確認できます。
実際に使われているルート(FIB)だけでなく、候補として存在するルート(RIB)も含めて確認する場合は、以下の詳細コマンドを使います。
diagnose ip router list
この出力には、複数候補が存在する経路や、採用されなかったルートも含まれており、ルートの優先順位や競合状況の分析に非常に有効です。
CLIに慣れていない方は、GUI(Web管理画面)からもルートの確認が可能です。
SD-WAN構成の場合は、
Network → SD-WAN → Monitor
から経路状況を確認するケースもあります。
FortiGateは複数のルート候補がある場合、以下の順で優先度を判断してルートを選定します。
例:OSPFとStaticルートが共存する場合、通常Staticの方がDistanceが低いため優先されます。
コマンド | 内容 |
---|---|
execute ping <IP> |
宛先IPへの疎通確認 |
execute traceroute <IP> |
経路トレース |
diagnose sniffer packet any 'host <IP>' |
指定ホストへのパケットキャプチャ※シングルクォートで囲むことで複雑なフィルターも使えます |
方法 | 利点 | 用途 |
---|---|---|
get router info routing-table all |
現在使用中のルートを確認 | FIB表示 |
diagnose ip router list |
候補含めた全ルートを表示 | RIB分析、ルート競合確認 |
diagnose ip route list <IP> |
宛先ごとの経路を確認 | トラブル解析 |
GUIのRouting Monitor | 視覚的に確認でき、初心者にも優しい | 運用や学習用途 |
以上、FortiGateのルーティングテーブルの確認方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。