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FortiGateのプロトコルオプションについて

FortiGateの「プロトコルオプション(Protocol Options)」は、トラフィック検査をより高度かつ柔軟に行うための重要な機能群です。

特に、アプリケーション層(L7)で使用されるプロトコルの解析と制御を強化する目的で用いられます。

これは、ウイルススキャン、IPS(侵入防止システム)、Webフィルタリングなどのセキュリティ機能と密接に関係しています。

プロトコルオプションとは?

FortiGateにおける「プロトコルオプション」は、ファイアウォールポリシーに適用される検査の「詳細設定」と言えます。

プロトコルごとにどのようにトラフィックを扱うかを定義することで、以下のような制御を可能にします。

  • 特定のポート/プロトコルに対するディープパケットインスペクション
  • 圧縮ファイルの扱い(例:ZIP、RAR)
  • HTTPヘッダの制限
  • SMTPのエンコード制御
  • FTP制御チャネルとデータチャネルの取り扱い
  • 非標準ポートで動作するプロトコルの明示的サポート

主な対象プロトコル

プロトコルオプションでは、以下のようなアプリケーションプロトコルに対する個別設定が可能です。

プロトコル 説明
HTTP ヘッダ長、URL長、圧縮コンテンツの展開、転送サイズ制限などを制御
HTTPS SSLインスペクションと連携し、SSL/TLSトラフィックの検査に活用
FTP コントロール/データチャネルの制御、匿名FTPの許可可否など
SMTP エンコード形式の制御、添付ファイルサイズ、圧縮解凍の設定など
POP3/IMAP メールの添付ファイルの検査、解凍、ファイルサイズの制御など

具体的な設定項目の例(HTTP)

プロトコルオプションでは、以下のような細かいチューニングが可能です。

例として、HTTPの場合

項目 概要
HTTPバージョン制限 HTTP 0.9や1.1などの使用可否を制御
URL長制限 過剰に長いURLのアクセスをブロック(DoS対策)
圧縮コンテンツのスキャン gzipやdeflateなどの圧縮されたレスポンスを展開して検査
JavaScript制御 HTML内のスクリプトに関するスキャンの有効/無効
応答サイズ制限 検査対象となるHTTPレスポンスの最大サイズを制限

適用方法

プロトコルオプションは次のようにしてファイアウォールポリシーに適用されます。

  • プロトコルオプションのプロファイルを作成
    GUIでは「セキュリティプロファイル」→「プロトコルオプション」で作成できます。
  • ファイアウォールポリシーに割り当て
    作成したプロファイルを、ポリシーの中で適用対象とします。
  • トラフィックが対象プロトコルなら自動適用
    たとえば「HTTPトラフィック」に対してのみ、該当プロファイルが発動します。

活用例とベストプラクティス

活用例

  • 社内メールのセキュリティ強化:SMTPとPOP3の添付ファイルサイズを制限し、マルウェア拡散を抑止。
  • 情報漏洩防止:HTTPのURL長やPOSTサイズ制限を使い、不正アップロードをブロック。
  • FTPサーバ保護:匿名アクセスやパッシブFTPの制限で意図しないファイル転送を制御。

ベストプラクティス

  • 既存のテンプレートを活用:FortiGateには「default」「strict」などのテンプレートがあるので、カスタムする際のベースにすると効率的です。
  • プロトコル識別に依存しすぎない:一部のアプリケーションはプロトコルを偽装する場合もあるため、SSLインスペクションやアプリケーションコントロールとの併用が望ましい。
  • ログを有効化:プロトコルオプションによるブロックやアラートがどのように働いているか、ログで確認できるようにしておくとトラブルシューティングにも有効です。

CLIによる設定例

config firewall profile-protocol-options
    edit "custom-http-policy"
        config http
            set ports 80
            set status enable
            set comfort-amount 1
            set comfort-interval 1
            set range-block enable
            set range-block-size 10240
            set scan-bzip2 enable
            set scan-gzip enable
        end
    next
end

このようにCLIではさらに詳細な設定が可能です。

GUIよりも柔軟なカスタマイズが必要な場合に有用です。

まとめ

観点 内容
機能の目的 プロトコルごとのトラフィック検査ルールを細かく設定する
主なプロトコル HTTP, HTTPS, FTP, SMTP, POP3, IMAPなど
利用タイミング ファイアウォールポリシーでアプリケーション層の検査を強化したいとき
連携機能 SSLインスペクション、IPS、AVスキャン、Webフィルタなど
管理方法 GUIまたはCLIでプロファイル作成し、ポリシーに割り当てる

以上、FortiGateのプロトコルオプションについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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