FortiGateの「プロトコルオプション(Protocol Options)」は、トラフィック検査をより高度かつ柔軟に行うための重要な機能群です。
特に、アプリケーション層(L7)で使用されるプロトコルの解析と制御を強化する目的で用いられます。
これは、ウイルススキャン、IPS(侵入防止システム)、Webフィルタリングなどのセキュリティ機能と密接に関係しています。
FortiGateにおける「プロトコルオプション」は、ファイアウォールポリシーに適用される検査の「詳細設定」と言えます。
プロトコルごとにどのようにトラフィックを扱うかを定義することで、以下のような制御を可能にします。
プロトコルオプションでは、以下のようなアプリケーションプロトコルに対する個別設定が可能です。
プロトコル | 説明 |
---|---|
HTTP | ヘッダ長、URL長、圧縮コンテンツの展開、転送サイズ制限などを制御 |
HTTPS | SSLインスペクションと連携し、SSL/TLSトラフィックの検査に活用 |
FTP | コントロール/データチャネルの制御、匿名FTPの許可可否など |
SMTP | エンコード形式の制御、添付ファイルサイズ、圧縮解凍の設定など |
POP3/IMAP | メールの添付ファイルの検査、解凍、ファイルサイズの制御など |
プロトコルオプションでは、以下のような細かいチューニングが可能です。
例として、HTTPの場合
項目 | 概要 |
---|---|
HTTPバージョン制限 | HTTP 0.9や1.1などの使用可否を制御 |
URL長制限 | 過剰に長いURLのアクセスをブロック(DoS対策) |
圧縮コンテンツのスキャン | gzipやdeflateなどの圧縮されたレスポンスを展開して検査 |
JavaScript制御 | HTML内のスクリプトに関するスキャンの有効/無効 |
応答サイズ制限 | 検査対象となるHTTPレスポンスの最大サイズを制限 |
プロトコルオプションは次のようにしてファイアウォールポリシーに適用されます。
config firewall profile-protocol-options
edit "custom-http-policy"
config http
set ports 80
set status enable
set comfort-amount 1
set comfort-interval 1
set range-block enable
set range-block-size 10240
set scan-bzip2 enable
set scan-gzip enable
end
next
end
このようにCLIではさらに詳細な設定が可能です。
GUIよりも柔軟なカスタマイズが必要な場合に有用です。
観点 | 内容 |
---|---|
機能の目的 | プロトコルごとのトラフィック検査ルールを細かく設定する |
主なプロトコル | HTTP, HTTPS, FTP, SMTP, POP3, IMAPなど |
利用タイミング | ファイアウォールポリシーでアプリケーション層の検査を強化したいとき |
連携機能 | SSLインスペクション、IPS、AVスキャン、Webフィルタなど |
管理方法 | GUIまたはCLIでプロファイル作成し、ポリシーに割り当てる |
以上、FortiGateのプロトコルオプションについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。