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DNSブロッキングとはなんなのか

DNSブロッキングとは、特定のドメイン名の名前解決を制限することで、Webサイトやオンラインサービスへのアクセスを遮断する仕組みです。

インターネット上でWebサイトにアクセスする際、ユーザーは通常「example.com」のようなドメイン名を使います。

しかし、コンピューターやスマートフォンは、そのままでは接続先を理解できません。

そこで必要になるのがDNSです。

DNSは、ドメイン名を実際の接続先であるIPアドレスへ変換する役割を担っています。

DNSブロッキングは、この名前解決の段階で特定のドメインへの応答を制御することで、アクセスそのものを難しくしたり、不可能にしたりする技術です。

言い換えると、通信先の入口にあたる部分をDNSレベルで制御する仕組みといえます。

DNSブロッキングの仕組み

通常、ユーザーがWebサイトへアクセスすると、次のような流れで通信が行われます。

  1. ユーザーがブラウザにドメイン名を入力する
  2. 端末がDNSサーバーへ問い合わせる
  3. DNSサーバーが対応するIPアドレスを返す
  4. 端末がそのIPアドレスへ接続する

DNSブロッキングでは、このうちDNSサーバーが返す応答を制御します。

これにより、ユーザーは目的のサイトへ正常にアクセスできなくなります。

DNSブロッキングの主な方法

DNSブロッキングにはいくつかの実装方法があります。

NXDOMAINを返す

問い合わせされたドメインに対して、「そのドメインは存在しない」という応答を返す方法です。

この場合、ユーザーからはサイトが存在しないように見えます。

ブロック用のIPアドレスを返す

本来の接続先ではなく、ブロックページや警告ページのIPアドレスを返す方法です。

企業や学校のネットワークでは、「このサイトへのアクセスは制限されています」と表示させるために使われることがあります。

接続できないIPアドレスやシンクホール先へ誘導する

正常に通信できない宛先や、監視・遮断用のシンクホール先へ名前解決させる方法です。

広告ブロックやセキュリティ対策で利用されることがあります。

なお、常に同じ方法が使われるわけではなく、運用目的や製品仕様によって応答の仕方は異なります。

DNSブロッキングの主な用途

DNSブロッキングは、さまざまな場面で活用されています。

セキュリティ対策

もっとも代表的な用途のひとつがセキュリティ対策です。

たとえば、以下のようなドメインへのアクセスを防ぐために使われます。

  • フィッシングサイト
  • マルウェア配布サイト
  • 不正なコマンド&コントロールサーバー
  • 悪意のある広告配信ドメイン

通信が始まる前の段階で制御できるため、比較的軽量にリスクを減らせるのが特長です。

ペアレンタルコントロール

家庭や教育機関では、有害サイトや年齢にふさわしくないコンテンツへのアクセス制限にも利用されます。

  • アダルトサイトの閲覧制限
  • ギャンブル系サイトの遮断
  • 特定SNSやゲーム関連サイトの制限

広告・トラッカーのブロック

広告配信ドメインやトラッキング用ドメインをDNSレベルで遮断することで、広告表示や追跡を減らす目的でも使われます。

ブラウザ拡張機能を使わなくても、ネットワーク全体で一括制御しやすい点が特徴です。

政府やISPによるアクセス制限

国やインターネットサービスプロバイダが、違法コンテンツや規制対象サイトへのアクセスを制限する手段として用いる場合もあります。

ただし、この用途は国や地域、法制度によって運用の考え方が大きく異なります。

DNSブロッキングのメリット

DNSブロッキングには、次のような利点があります。

通信前に制御できる

通信が始まる前の段階でブロックできるため、帯域消費や不要な接続を減らしやすくなります。

ネットワーク全体で管理しやすい

端末ごとに個別設定をしなくても、DNS設定を統一すれば複数の端末に同じ制御を適用しやすくなります。

導入負荷が比較的低い

URLフィルタリングや高度なプロキシ制御と比べると、比較的シンプルに導入・運用しやすいケースがあります。

DNSブロッキングのデメリットと限界

便利な仕組みですが、DNSブロッキングだけで完全な制御ができるわけではありません。

回避される可能性がある

ユーザーが別のDNSサーバーを利用したり、VPNや暗号化DNSを使ったりすると、DNSブロッキングを回避できる場合があります。

細かなURL単位の制御には向かない

DNSブロッキングは基本的にドメイン単位の制御です。

そのため、同じドメイン内の特定ページだけをブロックするような細かな制御は苦手です。

共有基盤では巻き添えが起きることがある

CDNやクラウド基盤を利用しているサイトでは、構成によっては意図しない影響が出る可能性があります。

設計や運用を誤ると、関係のない通信まで制限してしまう恐れがあります。

IP直打ちや特殊な構成には効かない場合もある

理論上はIPアドレスを直接指定してアクセスできるケースもありますが、現代のWebサイトは仮想ホストやHTTPS証明書、CDNなどを利用していることが多く、実際にはIP直打ちで正常表示できないケースも少なくありません。

DNSブロッキングと他のブロック手法の違い

DNSブロッキングはあくまで名前解決の制御です。

そのため、ほかのアクセス制御手法とは役割が異なります。

IPブロック

IPアドレス単位で通信を拒否する方法です。

強力な反面、同じIPを共有している別サービスまで影響することがあります。

URLフィルタリング

URL単位でアクセス制御する方法です。

より細かな制御が可能ですが、導入や運用の負荷は高くなりやすい傾向があります。

ブラウザ拡張によるブロック

広告ブロッカーなど、ユーザーのブラウザ側で制御する方法です。

個別端末には有効ですが、ネットワーク全体で統一管理するには不向きです。

DNSブロッキングは、こうした方法の中でも比較的手前の段階で広く制御できる仕組みといえます。

DNSブロッキングは万能ではない

DNSブロッキングは有効な対策ですが、それだけで完全な防御や完全な統制を実現できるわけではありません。

あくまで「通常の名前解決経路を使ったアクセスを制限する」仕組みであり、ほかのセキュリティ対策やアクセス制御と組み合わせて使うことが重要です。

企業環境では、

  • DNSフィルタリング
  • ファイアウォール
  • プロキシ
  • EDR
  • Webフィルタリング
  • ゼロトラスト設計

などと併用されることが一般的です。

まとめ

DNSブロッキングとは、特定ドメインの名前解決を制御することで、Webサイトやサービスへのアクセスを制限する仕組みです。

セキュリティ対策、ペアレンタルコントロール、広告ブロック、アクセス制限など幅広い用途で使われています。

一方で、VPNや別DNS、暗号化DNSなどによって回避される場合もあり、細かなURL制御にも向いていません。

そのため、DNSブロッキングは単独で万能な手法ではなく、ほかの対策と組み合わせて活用することが大切です。

以上、DNSブロッキングとはなんなのかについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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