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DNSサーバーはどこにあるのか

DNSサーバーは、ひとことで言えばドメイン名とIPアドレスを結び付けるための仕組みを提供するサーバーです。

ただし、「DNSサーバーはどこにあるのか」という問いに対しては、1か所にあるわけではない、というのがまず大前提になります。

実際のDNSは、世界中に分散した多数のサーバーによって成り立っています。

しかも、DNSサーバーにはいくつかの種類があり、それぞれ役割も置かれている場所も異なります。

そのため、DNSサーバーの場所を考えるときは、どの種類のDNSサーバーのことを指しているのかを分けて考えるのが大切です。

DNSサーバーは1台ではない

多くの人は「DNSサーバー」と聞くと、どこかに1台のサーバーがあって、そこに問い合わせているようなイメージを持ちます。

しかし実際には、DNSは階層的に分かれた複数のサーバー群で構成されています。

主に関わるのは次のようなものです。

  • 利用者が最初に問い合わせる再帰リゾルバ
  • インターネット全体の最上位を案内するルートネームサーバー
  • .com.jp などを管理するTLDネームサーバー
  • 各ドメインの正式な情報を持つ権威ネームサーバー

つまり、DNSは「どこか1台のサーバー」ではなく、役割の異なる複数のDNSサーバーが連携して動く仕組みです。

ふだん利用者が使っているDNSサーバーはどこにあるのか

普段、あなたのパソコンやスマートフォンが最初に問い合わせる相手は、多くの場合再帰リゾルバです。

これは「キャッシュDNS」や「DNSリゾルバ」と呼ばれることもあります。

この再帰リゾルバは、たとえば次のような場所にあります。

ISPの設備内

家庭のインターネット回線では、契約しているプロバイダや通信事業者が用意した再帰リゾルバを使っていることが多いです。

この場合、DNSサーバーはその事業者のデータセンターネットワーク拠点に置かれています。

たとえば、

  • 固定回線のプロバイダ
  • 携帯電話会社
  • CATV事業者
  • 法人向け回線事業者

などが、自社のDNS設備を運用しています。

公開DNSサービスの拠点

利用者が自分でDNS設定を変更している場合は、ISPではなく公開DNSサービスを使っていることもあります。

代表例としては、

  • Google Public DNS
  • Cloudflare DNS
  • Quad9

などがあります。

これらも1台だけではなく、世界各地に分散配置された拠点で運用されています。

利用者の通信は通常、地理的またはネットワーク的に近い拠点へ届けられます。

そのため、たとえばGoogle Public DNSを使っていても、必ずしも遠い海外の1台に毎回問い合わせているわけではありません。

企業や学校の内部

会社や学校では、組織内に独自のDNSサーバーを置いていることもあります。

これはたとえば、

  • 社内システム専用の名前解決
  • Active Directory連携
  • 社内向けサーバー名の解決
  • 外部DNSへの中継

などのためです。

この場合、DNSサーバーは

  • 社内サーバールーム
  • オフィス内のラック
  • 企業のクラウド環境
  • データセンター

などに置かれます。

インターネット全体を案内するDNSサーバーはどこにあるのか

利用者が問い合わせる再帰リゾルバは、必要に応じてさらに上位のDNSサーバーへ問い合わせます。

そのとき登場するのが、ルートネームサーバーやTLDネームサーバーです。

ルートネームサーバー

ルートネームサーバーは、DNSの最上位にある案内役です。

たとえば「.com のことはどこに聞けばいいか」「.jp のことはどこに聞けばいいか」といった情報を持っています。

ここでよく誤解されるのが、「ルートDNSは13台しかない」という説明です。

正確には、ルートサーバーはA〜Mまでの13の論理的な識別子で表現されています。

しかし実際には、それぞれが世界中に多数の実体サーバーとして分散配置されています。

つまり、ルートネームサーバーは特定の1都市や1建物にしかないわけではなく、世界各地に配置された分散型の仕組みです。

TLDネームサーバー

ルートネームサーバーの次に参照されるのが、.com.jp のようなトップレベルドメインを扱うTLDネームサーバーです。

たとえば、

  • .com
  • .net
  • .org
  • .jp

など、それぞれのTLDごとに管理の仕組みがあります。

これらのサーバーも、単一の場所にあるわけではなく、複数の拠点やインフラ上に分散して運用されています。

ドメインの正式情報を持つDNSサーバーはどこにあるのか

あるドメイン、たとえば example.com に関する最終的な正規情報を持っているのが権威ネームサーバーです。

この権威ネームサーバーには、そのドメインに関する正式なDNSレコードが保存されています。

たとえば、

  • Aレコード
  • AAAAレコード
  • CNAMEレコード
  • MXレコード
  • TXTレコード
  • NSレコード

などです。

つまり、権威ネームサーバーは「そのドメインについて、正式にはどの情報が正しいのか」を答えるサーバーです。

権威ネームサーバーはどこに置かれるのか

権威ネームサーバーは、ドメインを管理しているDNS事業者やホスティング会社、クラウド事業者の設備上で動いていることが一般的です。

たとえば、

  • Cloudflare
  • Amazon Route 53
  • Google Cloud DNS
  • さくらインターネット
  • Xserver
  • お名前.com などのレジストラ系サービス

といった事業者が運用している場合があります。

物理的には、

  • 事業者のデータセンター
  • クラウド基盤
  • 世界各地の分散拠点

に配置されていることが多く、やはり1か所に集中しているとは限りません。

実際の名前解決では、どのDNSサーバーをたどるのか

たとえば、あなたがブラウザで www.example.com を開くとします。

このとき、通常は次のような流れで名前解決が行われます。

パソコンやスマホが、まず設定済みの再帰リゾルバに問い合わせます。

これは多くの場合、

  • ISPのDNS
  • 公開DNS
  • 社内DNS

のどれかです。

再帰リゾルバに答えがキャッシュされていれば、その場ですぐに返答します。

キャッシュがなければ、再帰リゾルバがルートネームサーバーに問い合わせます。

すると、「.com の情報はこのTLDネームサーバー群を見てください」と案内されます。

次に再帰リゾルバが.com のTLDネームサーバーへ問い合わせます。

すると、「example.com の正式情報はこの権威ネームサーバーが持っています」と案内されます。

再帰リゾルバがexample.com の権威ネームサーバーへ問い合わせます。

そこで、www.example.com に対応する正式なDNSレコードを取得します。

その結果が再帰リゾルバからあなたの端末へ返され、ブラウザはその情報を使ってWebサーバーへ接続します。

ここで大事なのは、通常、端末自身がルートサーバーやTLDサーバーへ直接問い合わせているわけではないという点です。

それらをたどるのは、ふつうは再帰リゾルバの役目です。

家の中にDNSサーバーはあるのか

これは「場合による」が正確な答えです。

一般的な家庭環境

家庭では、実際の名前解決の中心はISPや公開DNSの再帰リゾルバにあることが多いです。

つまり、中心となるDNSサーバーは家の外にあります。

ただし、家庭用ルーターが

  • DNSの転送
  • 簡易キャッシュ
  • ローカル機器名の補助的な解決

を行っていることはあります。

そのため、家庭内に「DNSっぽい役割をする機器」が存在することはありますが、本格的な再帰解決の本体は外部にあることが一般的です。

家庭内で独自DNSを動かす場合

少し詳しい利用者なら、

  • Pi-hole
  • Unbound
  • dnsmasq
  • NAS上のDNS機能

などを使って、家庭内にDNSサーバーを置くこともあります。

この場合は、DNSサーバーが実際に家の中にあると言えます。

ただしそれでも、完全に家庭内だけで閉じず、外部のルートや権威DNSと連携する構成になることが多いです。

企業のDNSサーバーはどこにあるのか

企業では、家庭よりもDNSの構成が複雑になることがあります。

たとえば、

  • 社内専用ドメインを解決する内部DNS
  • 社外公開用の権威DNS
  • 支社やVPNをつなぐためのDNS
  • クラウドとオンプレミスをまたぐDNS

などが使われます。

そのためDNSサーバーの場所も、

  • 本社のサーバールーム
  • データセンター
  • AWSやGCPなどのクラウド
  • 各地域の拠点

に分散している場合があります。

企業のDNSは1つではなく、内部向けDNSと外部向けDNSが分かれていることもよくあります。

なぜDNSサーバーは世界中に分散しているのか

DNSが分散されているのには明確な理由があります。

速度のため

利用者に近い場所で応答できるほど、名前解決は速くなります。

障害対策のため

1か所に集中していると、その拠点で障害が起きたとき大きな影響が出ます。

複数拠点に分散していれば、継続してサービスを提供しやすくなります。

攻撃対策のため

DNSはインターネット全体の重要な基盤なので、DDoS攻撃の対象になることがあります。

複数拠点に分散しておけば、攻撃に対する耐性を高めやすくなります。

世界中の利用者に対応するため

インターネットは世界規模で使われているため、DNSも世界規模で分散配置される必要があります。

「DNSサーバー」と「Webサーバー」は同じなのか

役割としては別です。

  • DNSサーバー
    名前とIPアドレスなどの対応情報を返す
  • Webサーバー
    実際のWebページや画像、データを配信する

ただし、役割が別というだけで、必ずしも物理的に完全に別の機械とは限りません。

同じ事業者が

  • DNS
  • Webホスティング
  • CDN

を同じサービス群の中で提供していることもあります。

なので、正確には役割は別だが、同じ事業者や同じ基盤の上で提供されることはあると考えるのがよいです。

自分が今どのDNSサーバーを使っているか調べる方法

Windows

コマンドプロンプトで次を実行します。

ipconfig /all

表示された中の DNS Servers を見ると、端末が現在利用しているDNSリゾルバを確認できます。

macOS / Linux

環境にもよりますが、たとえば次のような方法があります。

cat /etc/resolv.conf

または

nmcli dev show | grep DNS

これで、現在使っているDNSサーバーの設定を確認しやすくなります。

問い合わせ先を確認する

nslookup example.com

または

dig example.com

これで、どのDNSリゾルバに問い合わせているかを確認できます。

ただし、これだけではその再帰リゾルバが内部でルート、TLD、権威DNSをどうたどったかまでは通常わかりません。

その流れまで確認したい場合は、たとえば次のような方法が使えます。

dig +trace example.com

これにより、名前解決の経路を段階的に追いやすくなります。

要するにDNSサーバーはどこにあるのか

結論として、DNSサーバーはどこか1つの場所にあるわけではありません

利用者が普段使う再帰リゾルバは、

  • ISPのデータセンター
  • 公開DNS事業者の分散拠点
  • 企業や学校の内部ネットワーク
  • 家庭内のローカルDNS環境

などにあります。

さらにその裏側では、

  • ルートネームサーバー
  • TLDネームサーバー
  • 権威ネームサーバー

が世界中に分散配置され、連携して動いています。

つまりDNSは、世界中に分散した複数種類のサーバーによって成り立つ仕組みです。

「DNSサーバーはどこにあるのか」という問いへの最も正確な答えは、役割によって場所が異なり、しかも世界中に分散して存在しているということになります。

以上、DNSサーバーはどこにあるのかについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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