FortiGateのレポート機能は、ネットワークトラフィックやセキュリティイベントを可視化し、運用管理者がネットワークの状態を把握しやすくするための非常に強力な機能です。
FortinetのUTM(統合脅威管理)アプライアンスであるFortiGateは、Firewall、IPS、Webフィルタ、アプリ制御、VPN、アンチウイルスなどの多機能を統合していますが、それらの機能のログと分析を集約・視覚化するのがレポート機能の役割です。
以下に、FortiGateのレポート機能について詳しく解説します。
FortiGate自体には簡易的なログ・レポート機能があるものの、本格的なレポート機能は以下の2つの方法で利用されるのが一般的です。
FortiOSのバージョンにより異なりますが、FortiGateには簡易的なレポート機能が統合されており、GUI(Web管理画面)から以下のような情報を参照できます。
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制限点
FortiAnalyzerは、Fortinet製品群からログを収集・分析・可視化する専用アプライアンス(物理または仮想)です。
FortiGateと連携することで、レポート機能は劇的に拡張されます。
カテゴリ | 内容の例 |
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トラフィック分析 | トップユーザー、上位トラフィック送信元/受信先、アプリ別帯域消費など |
Web利用状況 | 訪問サイトランキング、カテゴリ別Webアクセス数、ブロック件数など |
セキュリティ分析 | ウイルス検出数、IPSアラート、Botnet検知、スパムフィルタ結果など |
VPN統計 | リモートVPNユーザー接続回数、トンネル利用時間、失敗ログなど |
BYOD/デバイス情報 | MACアドレス、デバイスOS、接続履歴など |
コンプライアンス | 内部統制や監査レポート(ISO27001、SOC2等を想定) |
FortiAnalyzerではテンプレートを使ってレポートを作成するだけでなく、以下のようなカスタム設計も可能です。
業種 | 活用例 |
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教育機関 | 学生のネット利用状況をレポートし、不適切サイトのアクセスを監視 |
医療機関 | セキュリティインシデント(ウイルス、侵入検知など)を週次で報告 |
企業 | 社内VPNの利用状況を分析し、テレワーク対応の最適化 |
官公庁 | コンプライアンス要件に基づくレポートを定期作成 |
FortiGateにはFortiCloudというSaaS型ログ保存・レポート作成サービスもあります。
FortiAnalyzerを導入せずに、クラウドベースで以下を実現できます。
これは小規模拠点やリソース制約のある環境向けに有効です。
利用形態 | 特徴 | 推奨規模 |
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FortiGate単体の機能 | 簡易なログ確認と基本統計の閲覧 | 小規模〜中小規模 |
FortiAnalyzer連携 | 高度な分析・カスタムレポート・自動配信対応 | 中〜大規模 |
FortiCloudレポート | クラウドで完結、保守不要 | 中小規模〜分散環境 |
以上、FortiGateのレポート機能についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。