結論から言うと、VPNでは「各サービス用のポート開放」は不要になることが多いが、VPNの方式によっては「VPN自体の受信ポート開放」が必要になるというのが、最も正確な答えです。
「VPNならポート開放不要」という説明は半分正しく、半分は条件付きです。以下でその理由を段階的に解説します。
通常、ポート開放が必要になるのは次のような場合です。
これは「外から中へ入る通信」を成立させるため、ルーターに入口(ポート)を作る必要があるからです。
一方、VPNの基本的な考え方は異なります。
つまりVPNでは、
「公開」ではなく「参加」
という構造になります。
この場合、NAS・Web管理画面・リモートデスクトップなどはLAN内利用と同じ感覚で使えるため、それぞれのサービス用ポートを外部に開放する必要がなくなります。
この意味で「VPNを使えばポート開放は不要」と言われることが多いのは事実です。
ここが最も誤解されやすいポイントです。
VPNには大きく分けて、次の2系統があります。
などが VPNの待ち受け役(サーバー) になる方式です。
この場合、
という構造になります。
つまりこの方式では、
という状態です。
「VPNなのにポート開放が必要じゃないの?」と感じる人が多いですが、VPNという“入口”を作るための最小限の開放は避けられません。
一方で、
というタイプのVPNもあります。
この方式の特徴は、
という点です。
このタイプでは、
になります。
「VPNなのに一切ポート開放がいらない」と言われるケースは、ほぼこの方式を指しています。
これは言い切りすぎです。
正しくは以下の通りです。
特に、
では、VPN通信そのものが遮断されるケースもあります。
したがって、
VPNは必ず通る
VPNならNATを気にしなくてよい
という理解は誤りです。
L2TP/IPsecではよく「ポート500・4500を開ける」と説明されますが、ここには少し注意点があります。
一方で ESP は、
です。
NAT環境ではESPが通らないことが多いため、その代替として UDP 4500 にカプセル化する仕組みが使われます。
したがって、
という理解が必要です。
ここは非常に重要ですが、見落とされがちな点です。
CGNAT環境では、原則として外部から自宅へ到達できません。
つまり、
という方法は、そもそも成立しないことが多いです。
この場合の現実的な選択肢は以下です。
「VPNだから大丈夫」と思って自宅VPNサーバーを立てようとしても、CGNATという前提条件で詰まるケースは非常に多いです。
以上、VPNでポート開放は不要なのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。