Azure VPN Gatewayは、Microsoft Azure が提供する 仮想ネットワーク(VNet)用のマネージドVPNサービスです。
Azure 上の VNet と、オンプレミス環境・他の Azure VNet・リモートユーザー端末などを、公衆インターネット経由で暗号化通信(IPsec/IKE)により安全に接続できます。
最大の特徴は、専用VPN機器をAzure側に用意する必要がなく、可用性・冗長性・保守をAzureが管理してくれる点にあります。
そのため、初期導入コストを抑えながらハイブリッドネットワークを構築したい場合に、非常によく選ばれるサービスです。
Azure VPN Gatewayは、主に次の3つの接続方式をサポートします。
オンプレミスネットワークと Azure VNet を常時接続する方式です。
オンプレミスの社内ネットワークと Azure 上の VM や Web サービスを、同一ネットワークの延長のように利用できるため、
ハイブリッド構成(段階的クラウド移行)で最も利用されます。
個人端末(PCなど)から Azure VNet へ直接接続する方式です。
在宅勤務、運用保守、外部委託先の一時的なアクセスなど、「人がAzureへ安全に接続する」用途に適しています。
Azure 上の VNet 同士を VPN で接続する方式です。
本番・検証環境の分離、リージョン分散構成、テナント分割などで利用されます。
Azure VPN Gatewayは、以下のセキュリティ要素を備えています。
一般的な業務システム・Webサービス用途において、十分に高いセキュリティレベルを確保できます。
Azure VPN Gatewayには複数の SKU(性能ティア) が存在します。
| SKU | 帯域の目安 |
|---|---|
| VpnGw1 | 650 Mbps |
| VpnGw2 | 1 Gbps |
| VpnGw3 | 1.25 Gbps |
| VpnGw4 | 5 Gbps |
| VpnGw5 | 10 Gbps |
※ これは 課金・サービスティア上の帯域目安であり、「常にこの速度が出る」ことを保証する数値ではありません。
実際の通信性能は、次の要因に大きく左右されます。
Microsoft Learn の性能資料では、トンネル単位で観測されたスループット値も示されており、価格ページの Bandwidth 値とは 指標の意味が異なる点に注意が必要です。
設計時は「価格ページの帯域=上限目安」「Learnの性能値=現実的な期待値」と分けて考えるのが安全です。
Azure VPN Gatewayの料金は、主に次の2要素で構成されます。
「アウトバウンド課金」と一括りにせず、用途別に価格ページを確認する設計姿勢が重要です。
| 項目 | VPN Gateway | ExpressRoute |
|---|---|---|
| 回線 | 公衆インターネット | 専用線 |
| 暗号化 | あり | 不要(物理分離) |
| レイテンシ | やや高め | 低い |
| コスト | 低 | 高 |
| 導入難易度 | 低 | 高 |
中小規模〜一般的な業務用途では VPN Gateway が現実解であり、大規模・低遅延・安定帯域が必須な場合に ExpressRoute が選択されます。
Azure側だけでなく、オンプレミス側の設計品質が体感性能を左右します。
以上、Azure VPN Gatewayについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。