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VPNとVLANの違いについて

VPNとVLANは、どちらも「仮想(Virtual)」という言葉が付くため混同されやすい技術ですが、目的・使われる場所・解決する課題は根本的に異なります。

一言でまとめると、

  • VPN:離れた場所同士を「安全につなぐ」ための技術
  • VLAN:同じ場所にあるネットワークを「論理的に分ける」ための技術

です。

以下、仕組み・役割・違い・実務での使われ方まで順に整理します。

VPNとは何か(Virtual Private Network)

VPNの基本的な考え方

VPNとは、インターネットなどの公衆ネットワークを利用しながら、あたかも専用回線のように安全な通信経路を作る技術です。

物理的に専用線を引かなくても、

  • 通信内容を暗号化し
  • 正しい相手だけを認証し
  • 外部から中身を盗み見られない

という状態を実現します。

VPNが解決する問題

VPNが主に解決するのは、次のような課題です。

  • 自宅・出張先から社内ネットワークへ安全に接続したい
  • 本社と支社をインターネット経由で安全につなぎたい
  • フリーWi-Fi利用時の盗聴・改ざんを防ぎたい

つまりVPNは、「距離が離れていることによる不安定さ・危険さ」を解消する技術だと言えます。

VPNの技術的な特徴(重要)

VPNにはいくつか方式があり、動作するOSI参照モデルの層は一律ではありません

代表例は以下の通りです。

  • L2系:L2TP(レイヤ2トンネリング)
  • L3系:IPsec(ネットワーク層寄りで動作)
  • L7寄り:SSL-VPN(TLS/SSLを利用)

そのため、「VPNはL3〜L7で動作する」と一括りに言い切るのは不正確で、方式によってL2 / L3 / L7などにまたがる、という理解が正解です。

VLANとは何か(Virtual LAN)

VLANの基本的な考え方

VLANとは、同一の物理ネットワーク(スイッチ・配線)上で、論理的にネットワークを分割する技術です。

  • スイッチは同じ
  • LANケーブルも同じ
  • それでも「別ネットワーク」として扱える

というのがVLANの本質です。

VLANが解決する問題

VLANは主に、社内ネットワーク設計上の課題を解決します。

  • 部署ごとに通信範囲を分けたい
  • 社内LANとゲストWi-Fiを分離したい
  • 不要なブロードキャスト通信を減らしたい
  • 内部ネットワークの管理性を高めたい

つまりVLANは、「近くにあるもの同士を、役割ごとに分ける」ための技術です。

VLANの仕組み(要点)

VLANでは、イーサネットフレームにVLAN ID(802.1Qタグ)を付与して通信を識別します。

  • 同じVLAN ID → 通信可能
  • 異なるVLAN ID → 直接通信不可

この仕組みにより、物理的に同じLANでも、論理的には完全に別ネットワークとして扱えます。

VLAN間通信について(重要な補足)

異なるVLAN同士を通信させるには、レイヤ3での中継(Inter-VLANルーティング)が必要です。

ここで使われるのは、

  • ルータ
  • L3スイッチ

のいずれかであり、「必ずルータが必要」というわけではありません。

実務ではL3スイッチによるVLAN間ルーティングも一般的です。

VPNとVLANの違い

項目 VPN VLAN
主な目的 安全な遠隔接続 ネットワーク分離
距離の前提 離れた拠点・端末 同一拠点内
暗号化 あり なし
主な利用場所 インターネット経由 LAN内部
OSI層 方式によりL2/L3/L7 L2
代表的用途 在宅勤務・拠点間接続 部署分割・ゲスト分離

よくある誤解と注意点

VLANはセキュリティ技術なのか?

VLANはセキュリティを高める要素にはなりますが、暗号化技術ではありません

  • 通信を分離する効果はある
  • しかし盗聴や改ざんを防ぐ仕組みではない
  • 誤設定があればVLAN間の意図しない通信が起きる可能性もある

そのため実務では、VLAN+アクセス制御+ファイアウォールを組み合わせて使います。

VPNがあればVLANは不要か?

これは誤りです。

  • VPN:外部と安全につなぐ
  • VLAN:内部を整理・分離する

役割が違うため、代替関係ではなく補完関係にあります。

実務での典型的な併用パターン

現代の企業ネットワークでは、VPNとVLANはほぼ必ず併用されます。

典型例は次の流れです。

  1. 社内LANはVLANで部署・用途別に分割
  2. 外部社員はVPNで社内に接続
  3. VPN接続後、適切なVLANに割り当て
  4. VLAN間アクセスはL3機器とルールで制御

この構成により、

  • 外部接続の安全性
  • 内部ネットワークの秩序
  • 最小権限アクセス

を同時に実現できます。

まとめ

  • VPN
    • 離れた場所を安全につなぐ
    • 暗号化・認証が本質
    • OSI層は方式により異なる
  • VLAN
    • 同一拠点内を論理分割する
    • 暗号化はしない
    • VLAN間通信にはL3機器が必要
  • 両者は競合ではなく、役割分担
  • 実務ではVPN × VLANの併用が前提

以上、VPNとVLANの違いについてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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