FortiGateの通信速度(スループット)を確認する方法は複数あります。
目的によってアプローチが異なり、リアルタイムで通信速度を確認したい場合と、ログや履歴からパフォーマンスを分析したい場合があります。
以下に、FortiGate上で通信速度を確認するための具体的な方法を、管理GUIとCLIの両面から詳しく解説します。
FortiGateのWeb GUI(管理画面)からは、視覚的にインターフェースごとの通信量を確認できます。
以下がその手順です。
表示内容
FortiViewは、アプリケーション単位・IP単位・ユーザー単位で通信量を把握するのに便利です。
CLIを使えばより詳細でリアルタイムなインターフェース状況を確認できます。
get system interface physical
もしくは
diagnose hardware deviceinfo nic <インターフェース名>
例
diagnose hardware deviceinfo nic port1
出力例(要点)
Rx_bytes
/ Tx_bytes
(受信/送信のバイト数)Rx_packets
/ Tx_packets
errors
やcollisions
が発生していないかも確認できますこれらの数値を時間で比較することでスループットを計算できます。
diagnose debug enable
diagnose debug console timestamp enable
diagnose debug flow filter addr <IPアドレス>
diagnose debug flow show function-name enable
diagnose debug flow trace start 100
この手順で、特定IPアドレスに対する通信のフロー詳細(処理の流れ)と通信量が表示されます。
負荷の高い環境では使用に注意が必要です。
FortiGateではSNMPを有効にしておくと、Zabbix、Cacti、PRTGなどの外部監視ツールでインターフェースごとのスループットを監視・可視化することができます。
設定方法(簡略)
config system snmp community
edit 1
set name "public"
config hosts
edit 1
set ip <監視サーバーのIP>
set interface "port1"
next
end
next
end
FortiGateを経由して、社内ネットワークや外部(インターネット)との通信速度を測定したい場合、次のような手段もあります。
https://www.speedtest.net
を利用iperf -c <サーバーIP> -t 10
でスループット測定この方法では、FortiGateがどれだけ帯域を確保できているかをより正確に評価できます。
通信速度の「遅さ」がFortiGateに起因しているかを確認するには、以下のポイントを調査します。
項目 | チェック方法 |
---|---|
CPU使用率 | GUIのSystem Informationやget system performance status で確認 |
セッション数 | diagnose sys session list / diagnose sys session stat |
ポリシーの数と内容 | 過剰なログ出力、IPS、AV、アプリ制御などがボトルネックになっていないか |
帯域制御 | Traffic Shaping が有効で制限されていないか |
ハードウェア処理(NP, CP) | オフロード設定を確認。使えていない場合はソフト処理になり遅くなる |
方法 | 内容 | 対象 |
---|---|---|
ダッシュボード | インターフェース単位のリアルタイム帯域 | 管理者・視覚的 |
FortiView | 履歴ベースのトラフィック分析 | セキュリティ分析向け |
CLI | 詳細かつリアルタイムのインターフェース状態 | ネットワーク管理者向け |
iPerf/Speedtest | 実通信を通じた速度測定 | 検証・トラブル対応 |
SNMP | 長期的なスループット可視化 | 監視チーム向け |
FortiGateの通信速度を正確に確認するには、GUIとCLIの両面から状態を多角的に分析するのが理想です。
また、モデルごとのスループット上限(例:FG-60FとFG-100Fで全く異なる)も考慮してください。
以上、FortiGateの通信速度の確認方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。