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VPNとローカルIPアドレスの関係性について

VPNとローカルIPアドレスの関係は、ネットワークの基本知識の中でも誤解されやすいテーマの一つです。

「VPNを使うとIPが変わる」「ローカルIPはどうなるのか」といった疑問は、仕組みを整理すれば明確に説明できます。

本記事では、IPアドレスの基礎 → VPN接続時の挙動 → なぜIPが変わったように見えるのか → 実務で起きやすいトラブルという流れで、正確かつ実用的に解説します。

IPアドレスの基本整理

ローカルIPアドレス(プライベートIP)

ローカルIPアドレスとは、家庭や会社など特定のネットワーク内部でのみ使用されるIPアドレスです。

代表的なプライベートIPアドレスの範囲は以下の通りです。

  • 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
  • 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
  • 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255

これらのアドレスは、インターネット上では直接ルーティングされず、外部から到達することはありません。

グローバルIPアドレス

グローバルIPアドレスは、インターネット上で通信するために割り当てられる世界的に一意なIPアドレスです。

外部サービスやWebサーバーは、このグローバルIPを通信元として認識します。

VPNの役割とは何か

VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に仮想的な専用ネットワークを構築する技術です。

物理的に離れた場所からでも、安全に特定のネットワークへ接続できます。

重要なのは、VPNは

既存のネットワークを置き換えるものではなく
PCに新しいネットワーク接続を追加する仕組み

であるという点です。

VPN接続時のローカルIPアドレスの挙動

一般的な動作

多くのVPN環境では、VPNに接続しても元のLAN側ローカルIPアドレスは維持されます。

その上で、VPNクライアントが仮想ネットワークアダプタを作成し、VPN専用のIPアドレスを新たに割り当てます。

結果としてPCは、

  • LAN用のローカルIPアドレス
  • VPN用に割り当てられた別のIPアドレス

という複数のIPアドレスを同時に保持する状態になります。

補足:例外的なケース

以下のような条件では、LAN側のローカルIPが変わることもあります。

  • DHCPの再割り当て
  • ネットワーク優先順位の変更
  • 接続インターフェースの切り替え(Wi-Fi・有線・モバイル回線)

ただしこれはVPNが直接ローカルIPを変更するというより、ネットワーク構成の変化に伴う結果と考えるのが適切です。

VPN接続時に「IPが変わった」と感じる理由

多くの場合、IP確認サービスが表示するのは

インターネットへ通信を送る際の出口IPアドレス

です。

VPN未使用時

  • 利用している回線のグローバルIPが表示される

VPN使用時(フルトンネル)

  • VPNサーバー側のグローバルIPが表示される

このため、VPN接続後に表示されるIPが変わり、「IPが変わった」と認識されます。

実際には、ローカルIPが変わったわけではなく、通信の出口が変わっているだけです。

スプリットトンネルとフルトンネル

フルトンネル

  • すべての通信をVPN経由で送信
  • 外部からはVPNサーバーのIPとして見える
  • セキュリティは高いが通信負荷が増える

スプリットトンネル

  • 特定の通信のみVPN経由
  • それ以外の通信は通常回線を使用
  • 外部から見えるIPがVPNにならない場合もある

どちらの方式かによって、通信経路や見え方が変わる点に注意が必要です。

ローカルIP帯の衝突によるトラブル

VPN利用時によく発生する問題として、IPアドレス帯の衝突があります。

  • 自宅LAN:192.168.1.0/24
  • VPN先ネットワーク:192.168.1.0/24

この場合、PCは通信の宛先を正しく判断できず、

  • 内部サーバーに接続できない
  • VPNは接続済みだが通信できない

といった問題が発生します。

主な対処方法

  • VPN側のIP帯を10.x.x.x系に変更
  • 自宅ルーターのIPアドレス帯を変更
  • ルーティング設定を見直す

これはVPNトラブルの中でも非常に頻出する原因です。

よくある誤解の整理

  • VPNを使うとローカルIPが変わる
    → 多くの場合は変わらず、VPN用IPが追加される
  • VPNは常にすべての通信を通す
    → スプリットトンネルでは一部通信のみVPN経由
  • VPNを切っても元に戻らない
    → 通常は即座に元のネットワーク状態に戻る

まとめ

  • ローカルIPはVPN接続時も基本的に維持される
  • VPNは仮想的なネットワークをPCに追加する技術
  • 変わるのは外部から見える通信の出口IP
  • IP帯の衝突とトンネル方式は特に注意すべきポイント

以上、VPNとローカルIPアドレスの関係性についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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