VPNとローカルIPアドレスの関係は、ネットワークの基本知識の中でも誤解されやすいテーマの一つです。
「VPNを使うとIPが変わる」「ローカルIPはどうなるのか」といった疑問は、仕組みを整理すれば明確に説明できます。
本記事では、IPアドレスの基礎 → VPN接続時の挙動 → なぜIPが変わったように見えるのか → 実務で起きやすいトラブルという流れで、正確かつ実用的に解説します。
ローカルIPアドレスとは、家庭や会社など特定のネットワーク内部でのみ使用されるIPアドレスです。
代表的なプライベートIPアドレスの範囲は以下の通りです。
これらのアドレスは、インターネット上では直接ルーティングされず、外部から到達することはありません。
グローバルIPアドレスは、インターネット上で通信するために割り当てられる世界的に一意なIPアドレスです。
外部サービスやWebサーバーは、このグローバルIPを通信元として認識します。
VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に仮想的な専用ネットワークを構築する技術です。
物理的に離れた場所からでも、安全に特定のネットワークへ接続できます。
重要なのは、VPNは
既存のネットワークを置き換えるものではなく
PCに新しいネットワーク接続を追加する仕組み
であるという点です。
多くのVPN環境では、VPNに接続しても元のLAN側ローカルIPアドレスは維持されます。
その上で、VPNクライアントが仮想ネットワークアダプタを作成し、VPN専用のIPアドレスを新たに割り当てます。
結果としてPCは、
という複数のIPアドレスを同時に保持する状態になります。
以下のような条件では、LAN側のローカルIPが変わることもあります。
ただしこれはVPNが直接ローカルIPを変更するというより、ネットワーク構成の変化に伴う結果と考えるのが適切です。
多くの場合、IP確認サービスが表示するのは
インターネットへ通信を送る際の出口IPアドレス
です。
このため、VPN接続後に表示されるIPが変わり、「IPが変わった」と認識されます。
実際には、ローカルIPが変わったわけではなく、通信の出口が変わっているだけです。
どちらの方式かによって、通信経路や見え方が変わる点に注意が必要です。
VPN利用時によく発生する問題として、IPアドレス帯の衝突があります。
例
この場合、PCは通信の宛先を正しく判断できず、
といった問題が発生します。
これはVPNトラブルの中でも非常に頻出する原因です。
以上、VPNとローカルIPアドレスの関係性についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。