ファイアウォールスループット(Firewall Throughput)は、ファイアウォールが一定時間内に処理できるデータ転送量の上限値を指す。
一般的に Gbps(ギガビット毎秒)や Mbps(メガビット毎秒)で表記される。
メーカー仕様に記載されるスループット値は、多くの場合、測定条件が限定されたベンチマーク環境で得られた最大性能であり、実運用環境で得られる実効値とは異なる点に注意が必要である。
ファイアウォールは単純なパケット転送装置ではなく、複数のセキュリティ処理を内部で実行する。
そのため、機能を有効化するほど処理負荷が増加し、実際に処理可能なスループットは低下する傾向がある。
主な要因は次の通り。
IPアドレスやポート番号のチェックが入ることで、単純な通過に比べて処理コストが増加する。
アプリケーション識別処理は、従来のL3/L4転送に比べて高い負荷がかかる。
トラフィック内のファイル検査を行うため、CPUリソースを多く消費する。
脆弱性シグネチャとの照合や異常検知を行うため、スループットが低下する。
暗号化通信を復号・再暗号化する処理は非常に負荷が高い。
HTTPSトラフィックが主流となっている環境では影響が大きい。
メーカー仕様には、複数種類のスループットが併記されることが多い。
測定条件が異なるため、用途に応じて適切な項目を確認する必要がある。
L3/L4レベルの基本転送性能。
最も大きな値になりやすい。
IPSやマルウェア対策などの脅威防御機能を有効にした状態でのスループット。
HTTPSなど暗号化通信の復号を伴う検査を有効にした状態でのスループット。
アプリケーション制御やIPSを組み合わせた状態でのスループット。
複数機能を同時に使用する際の参考値として用いられる。
スループットは以下の条件によって大きく変動する。
カタログ値は一般的に、大きめのパケットサイズや単純なトラフィックで測定されるため、実際のネットワーク環境で得られるスループットはこれより低くなる場合が多い。
インターネット回線速度(例:1Gbps)と、ファイアウォールの「Firewall Throughput」が同値であっても、実効的に1Gbpsの通信が通るとは限らない。
UTM機能、IPS、アプリ制御、SSL/TLSインスペクションなどを有効化すると、実効スループットが大幅に低下することがあるため、利用する機能に応じたスループット値を選定する必要がある。
以上、ファイアウォールスループットについてでした。
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