FortiGateのユーザー認証は、ネットワークやセキュリティポリシーにおけるアクセス制御の中心的な機能であり、誰が何にアクセスできるかを制御するために非常に重要です。
以下では、FortiGateのユーザー認証の仕組み、主な認証方法、活用シーン、構成例などを網羅的に詳述します。
FortiGateはUTM(Unified Threat Management)/次世代ファイアウォール製品であり、ユーザー認証は以下のような目的で利用されます。
FortiGateでは以下の認証方式を使用できます。
オンボード方式から外部連携まで幅広い手段があります。
FortiGate本体にユーザー情報を登録する方式。
外部のRADIUSサーバと連携して認証を行う。
Windows ADなどのLDAPサーバと連携。
管理者用アクセス制御によく使用される。
シーン | 認証対象 | 認証方式の例 |
---|---|---|
SSL-VPN接続時 | 外部リモートユーザー | LDAP + FortiToken(二要素認証) |
社内からのWebアクセス制御 | ドメインユーザー | FSSO(シングルサインオン) |
管理者ログイン | 管理者アカウント | ローカル or RADIUS/TACACS+ |
ゲストWi-Fi | 一時ユーザー | Captive Portal + ローカルユーザー or RADIUS |
FortiGateではWebブラウザを通してユーザー認証を求める「キャプティブポータル」機能もあります。
FortiGateでは「ファイアウォールポリシー」や「SSL-VPNポリシー」に認証条件を組み込むことができます。
たとえば
送信元:内部セグメント(192.168.1.0/24)
宛先:任意のインターネット
サービス:HTTP, HTTPS
ユーザー:ADグループ「営業部」
アクション:許可
といった条件で、ADのグループ「営業部」に所属するユーザーだけがインターネットにアクセスできるように設定できます。
以下はActive DirectoryとLDAP連携した認証設定の概要です。
CN=Users,DC=example,DC=com
)などを設定Fortinet製品群との統合性を高めるには、FortiAuthenticatorの導入が非常に有効です。
以下のような強化が可能です。
diagnose debug application fnbamd -1
diagnose debug enable
FortiGateのユーザー認証は、単なるIDチェックを超えた高度なアクセス制御基盤です。
規模や用途に応じてローカル認証からLDAP/RADIUS/FSSO、さらに二要素認証まで段階的に組み合わせることで、セキュリティと運用効率のバランスを取ることが可能です。
導入時には「どのユーザーがどこへ、どのようにアクセスする必要があるか」という要件をしっかり整理し、最適な認証アーキテクチャを構築することが成功のカギとなります。
以上、FortiGateのユーザー認証についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。