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FortiGateのループ検知について

FortiGate(フォーティゲート)のループ検知は、ネットワークにおけるブロードキャストストームやループ障害を防ぐための重要なセキュリティ・安定性機能です。

FortiGate自体はL3ファイアウォールが中心の製品ですが、L2スイッチング機能やハードウェアスイッチ(インターフェースグループ)を利用している場合、ループ検知が非常に重要になります。

以下に、FortiGateにおけるループ検知の仕組み、設定方法、注意点を詳しく解説します。

FortiGateにおけるループとは?

ネットワークループは、L2レベル(スイッチレイヤー)でフレームが無限に回り続ける現象です。

原因としては以下のようなものがあります。

  • スイッチ間でSTP(Spanning Tree Protocol)が正しく動作していない
  • 誤ってLANケーブルを同一セグメントの2ポートに接続した
  • FortiGate内のhardware switch(ソフトウェアブリッジ)の構成ミス
  • VLAN設定の誤り

ループが発生すると

  • ブロードキャストトラフィックが増大(ブロードキャストストーム)
  • ネットワーク全体が停止することもある
  • FortiGateのCPU使用率が上昇し、管理画面すら応答しなくなる

FortiGateのループ検知機能とは?

FortiGateでは、主に以下のケースでループ検知機能が利用されます。

ハードウェアスイッチのループ検知

FortiGateのhardware switch interface(例:lan、internal)は、複数の物理ポートを一つのL2ブリッジとして扱います。

この中でループが発生しないように、FortiGateはブロードキャストの自動抑制機能やループ検出を提供しています。

ループ検知の仕組み(基本的な例)

  • FortiGateが自動で送出するプローブフレーム(L2のEthernetフレーム)を、他のポートから受信した場合に「ループあり」と判断
  • 一定時間そのポートをブロックし、ログに出力(例:「loop detected on port x」)

設定方法:ループ検知を有効にする

FortiOSのGUIやCLIから設定できます。

GUIから有効にする方法(FortiOS 7.x以降)

  1. Network > Interfaces を開く
  2. hardware switch interface(例:lan) を選択
  3. 「Edit」画面の中に「Loop Guard」や「Broadcast Storm Control」などの項目がある(バージョンによって表記が異なる)
  4. 必要な設定をONにして保存

CLIでの設定例

config system interface
    edit "lan"
        set loop-guard enable
        set broadcast-storm-control 50
    next
end

  • loop-guard enable: ループ検知の有効化
  • broadcast-storm-control: ブロードキャストストームを制限する閾値(0〜100%、0で無効)

注意:インターフェースが「ハードウェアスイッチ」か「物理インターフェース」かによって、設定可能な項目が異なります。

ログの確認方法

ループ検知が発動した場合、FortiGateのログに次のようなメッセージが記録されます。

Interface 'lan' port 3 loop detected. Port temporarily disabled.

これにより、どのポートでループが発生したのかを特定可能です。

FortiGateループ検知の限界と補完策

限界

  • FortiGateのループ検知は、L2機能が限定的なため、Cisco CatalystやArubaのような専用スイッチと比較すると高機能ではない
  • STP(Spanning Tree Protocol)はサポートしていない(完全なL2スイッチではないため)

補完策

  • フルL2スイッチとの併用:FortiGateの外にCiscoやArubaなどのL2スイッチを配置し、STPやBPDUガードを使う
  • 管理ネットワークとユーザーネットワークの分離
  • ブロードキャストストーム制御の閾値調整でループ対策を強化

FortiGateのループ検知を活用するシナリオ例

シナリオ 推奨対策
小規模オフィスでLAN配線ミスが心配 ハードウェアスイッチ上でloop-guardを有効に
複数拠点をVPNでつないでいる 内部ネットワークでブロードキャスト制限を強化
ネットワークが時々止まるが原因不明 ループログをチェックし、ポートの構成ミスを調査

まとめ

FortiGateのループ検知は、「ハードウェアスイッチインターフェース」使用時に特に有効なL2ネットワークの自己防衛手段です。

FortiGate単体ではSTPのような高度な機能は持ちませんが、loop-guardやstorm-controlを適切に使うことで、意図しないループからネットワークを守ることが可能です。

以上、FortiGateのループ検知についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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