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UTM機器の導入率について

中小企業では導入率「3割未満」にとどまる現実

2023年12月に実施されたバッファローの調査(2024年2月発表)によると、従業員10〜300人規模の中小企業におけるUTM導入率は3割未満に留まっています。

一方で、回答者の8割以上がUTMをはじめとするセキュリティ対策の重要性を認識していることも明らかになりました。

導入が進まない主な要因としては、

  • 導入コストへの懸念
  • 製品理解不足
  • 通信速度の低下懸念
    などが挙げられます。
    つまり、多くの中小企業では必要性を感じつつも、コストと知識の壁が実装を妨げている状況です。

規模が大きい企業ほど導入が進む

一方、従業員100名以上の企業を対象とした調査(ミック経済研究所のレポート要旨を引用する二次資料)では、UTMアプライアンス導入率が約6割(61.2%)に達していると報告されています。

さらに2018年の日経クロステック(NIKKEI xTECH)の調査でも、「UTMまたはファイアウォール」を導入している企業が約45.8%という結果が示されており、

企業規模が上がるほどUTMや次世代ファイアウォール(NGFW)の採用が進む傾向が見て取れます。

ベンダーシェアの傾向:フォーティネットが首位を維持

複数の業界調査では、UTM/ルーター部門でフォーティネットが国内シェア首位を維持していることが報告されています。

特に企業向け境界防御分野では、フォーティネットのほか、チェック・ポイント、ソフォス、ウォッチガードなどが主要ベンダーとして位置付けられています。

この市場は競争が激化しており、ハードウェアUTMだけでなく、クラウドベースのセキュリティ統合(SASE/SSE)との競合領域が拡大しています。

SASE/SSEの普及がUTM市場に影響

近年は、クラウドベースのセキュリティ統合である「SASE(Secure Access Service Edge)」や「SSE(Security Service Edge)」の普及がUTM市場を大きく変化させています。

  • 2024年(SCSK調査)では、SASEの認知率が45.3%、導入率は約10%(1割前後)
  • 2025年(フォーティネットジャパン調査)では、従業員100名以上の企業におけるSASE/SSE導入率が約4割に達しています。

つまり、中小企業層ではまだ初期段階ですが、中堅〜大企業ではクラウド統合型セキュリティが急速に普及し始めており、
従来の「UTM機器」単体導入率だけでは市場全体の実態を把握しにくいフェーズに入っています。

導入率データを読む際の注意点

UTM導入率を比較する際は、次の3つのポイントを明記することが重要です。

  • UTM単体か、UTM/NGFWの合算か
    (“UTM/ファイアウォール”をまとめた調査では数字が高く出る)
  • 母集団(従業員規模)の違い
    (SMBでは3割未満、大企業では6割超)
  • 年代とクラウド移行の影響
    (SASE/SSE台頭により、オンプレUTM単体比率が減少傾向)

市場の潮流と今後の展望

2025年時点での市場傾向をまとめると以下の通りです。

規模区分 UTM導入率 傾向
中小企業(10〜300人) 約30%未満 コスト・知識の壁が導入を阻む
中堅企業(100人以上) 約60%前後 境界防御対策の中心
大企業 6割以上(境界防御カテゴリ) SASE/SSEとの併用が進行
SASE/SSE(クラウド統合型) SMB:約10% / 大企業:約40% 急速に拡大中

つまり、UTMは依然として中堅企業の標準的防御手段でありながら、同時にクラウドセキュリティ統合(SASE/SSE)への過渡期に入っているといえます。

今後は、「オンプレUTM」単体ではなく、UTM+クラウド統合モデルをどう組み合わせるかが市場の焦点になるでしょう。

まとめ

  • 中小企業ではUTM導入率3割未満だが、認識・関心は高い。
  • 100名以上の企業では導入率6割超、境界防御の中心的存在。
  • SASE/SSEの台頭により、UTM単体の導入率指標だけでは市場実態を把握しにくい段階に突入
  • 今後は「ハードウェアUTM+クラウド型セキュリティ」のハイブリッド防御体制が主流となる見込み。

以上、UTM機器の導入率についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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