UTM(Unified Threat Management、統合脅威管理)とは、ファイアウォール・ウイルス対策・不正侵入防御(IDS/IPS)・Webフィルタリング・VPN機能などを1台にまとめたセキュリティ機器、またはそのサービスを指します。
代表的な製品には、FortiGate(フォーティネット)・WatchGuard・SonicWall・Sophos・Cyberoamなどがあります。
企業では、情報漏えい・不正アクセス・マルウェア感染などを防ぐために導入され、情報セキュリティ対策費用として扱われます。
UTMの費用は、購入形態や契約内容によって勘定科目が異なります。
以下で、購入型・サブスク型・保守契約型に分けて解説します。
勘定科目:器具備品(または工具器具備品)
UTMを機器として購入し、自社オフィスやサーバールームに設置する場合は、固定資産として扱います。
10万円以上のハードウェアは原則として減価償却の対象です。
金額区分の目安
| 取得価額 | 勘定科目・処理方法 | 備考 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 消耗品費 | 即時経費処理可能 |
| 10万円以上20万円未満 | 一括償却資産 | 3年間で均等償却 |
| 20万円以上 | 工具器具備品 | 減価償却資産 |
| 30万円未満(中小企業) | 少額減価償却資産 | 年間300万円まで即時償却可 |
仕訳例
(借)器具備品 300,000円
(貸)普通預金 300,000円
(内容:UTM機器 FortiGate 購入)
決算時には減価償却を行います。
(借)減価償却費 60,000円
(貸)減価償却累計額 60,000円
クラウド管理型UTMや月額課金制のUTMサービスでは、機器の所有権が企業に移転しません。
このため、資産計上せず経費処理(損金処理)が原則です。
勘定科目の例
仕訳例
(借)通信費 15,000円
(貸)普通預金 15,000円
(内容:クラウドUTM月額利用料)
ポイント
UTM機器は、定期的なアップデートやサポート契約が必要です。
この費用は本体購入とは別に扱います。
勘定科目
仕訳例
(借)保守料 50,000円
(貸)普通預金 50,000円
(内容:UTM年間保守契約更新料)
UTMを長期リースで導入している場合は、「賃借料」で済むとは限りません。
所有権移転リースや使用権資産リースに該当する場合、リース資産・リース負債としてオンバランス処理が求められるケースがあります。
契約書を確認し、下記要件を検討してください。
契約の実質に応じて、「使用権資産」計上または「賃借料処理」を判断します。
UTM関連の契約は、1年分を一括で支払うことが多いため、費用の期間按分が重要です。
期間按分する場合
(借)前払費用 180,000円
(貸)普通預金 180,000円
(期末)
(借)通信費 90,000円
(貸)前払費用 90,000円
短期前払費用の特例(要件を満たす場合)
1年以内の契約で継続適用していれば、支払時に全額損金算入可。
(借)通信費 180,000円
(貸)普通預金 180,000円
UTM導入が「IT導入補助金」などの助成対象となった場合は、補助金は原則として雑収入または圧縮記帳で処理します。
(借)普通預金 100,000円 (貸)雑収入 100,000円| 状況 | 勘定科目 | 会計区分 |
|---|---|---|
| ハードウェア購入(10万円以上) | 器具備品 | 固定資産(減価償却) |
| ハードウェア購入(10万円未満) | 消耗品費 | 経費 |
| サブスク・クラウド型UTM | 通信費/システム利用料 | 経費 |
| レンタル契約 | 賃借料 | 経費 |
| 保守契約・ライセンス更新 | 保守料/支払手数料 | 経費 |
| リース契約 | リース資産または賃借料 | 契約実態に応じ判断 |
UTMは、単なる機器ではなく「ハード+ソフト+サービス」が一体となったセキュリティソリューションです。
したがって、購入型は「器具備品」または「固定資産」、月額課金型は「通信費」や「システム利用料」として処理するのが原則です。
契約形態を誤って処理すると、税務調査で修正を求められるケースもあります。
請求書・契約書の内容を必ず確認し、リース・レンタル・サブスクの区別を明確にすることがポイントです。
以上、UTMの勘定科目についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。