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FortiGateの初期化について

FortiGateを再構築したい場合や、設定トラブル・パスワード紛失時に行う「初期化(Factory Reset)」は、システム全体を出荷時の状態に戻す操作です。

ここでは、CLI・Web GUI・コンソール接続(パスワード紛失時)・物理リセットボタンの4つの方法を中心に、安全かつ確実に初期化するための手順と注意点を徹底解説します。

初期化の目的と概要

初期化(Factory Reset)とは、FortiGateに保存されたすべての設定を削除し、工場出荷時のデフォルト設定に戻す操作です。

これにより、過去に設定したポリシー・ルーティング・VPN・管理者情報などが完全に消去され、ゼロから再設定が可能になります。

ただし、現在インストールされているファームウェア(FortiOS)自体は保持される点に注意してください。

つまり「設定のみ初期化」「OSはそのまま」という挙動です。

CLI(コマンドライン)から初期化する方法

もっとも確実で推奨される方法です。

SSHまたはコンソール経由でFortiGateに管理者権限で接続し、以下の手順を実行します。

手順

  1. ログイン login: admin Password: (現在の管理者パスワード)
  2. 工場出荷状態へリセット execute factoryreset
  3. 確認メッセージに「y」で応答 This operation will reset the system to factory default! Do you want to continue? (y/n) y
  4. 自動再起動 → 初期状態で起動

補足コマンド

  • execute factoryreset-shutdown
    初期化後に自動的にシャットダウンする場合に使用します。

Web GUIから初期化する方法

管理パスワードを知っており、GUI(ブラウザ管理画面)にログインできる場合は、GUIからも初期化可能です。

操作が視覚的で分かりやすく、管理者が複数いる環境では安全に実施できます。

手順

  1. ブラウザからログイン https://192.168.1.99/ (初期設定の場合)
  2. メニューを開く
    バージョンによって表記が異なりますが、以下のいずれかから選択します。
    • System → Settings → Factory Reset
    • System → Maintenance → Factory Reset
    • Dashboard → Revisions → Restore Factory Default
  3. 確認ダイアログで「OK」をクリックすると、自動的に再起動 → 初期化完了。

コンソール接続での初期化(パスワード紛失時)

管理パスワードを忘れた場合、CLIにもGUIにもアクセスできません。

この場合、コンソール接続による初期化が必要です。

必要なもの

  • コンソールケーブル(RJ45 to USBなど)
  • ターミナルソフト(Tera Term / PuTTYなど)

通信設定(標準)

  • Baud rate:9600
  • Data bits:8
  • Parity:None
  • Stop bits:1
  • Flow control:None
    ※FortiGateは多くのモデルで 9600bps が標準(FortiSwitch等は115200bpsの例あり)

手順

  1. FortiGateの電源をOFF
  2. コンソールケーブルを接続
  3. ターミナルソフトを起動し、上記設定で接続
  4. 電源をONにし、ブート中に以下のメッセージが表示されたらキー入力 Press any key to display configuration menu
  5. メニューから「factory reset」を選択
  6. 再起動後、初期状態で起動

Maintainerアカウント(特殊モード)

一部モデルでは、ブート直後(起動から約30秒間のみ)maintainer アカウントでログインできます。

login: maintainer
password: bcpb<シリアル番号>

※シリアル番号の英字は大文字、入力は高速に行う必要があります。
このモードが無効化されている場合もあるため、最新モデルでは使用できないこともあります。

物理リセットボタンでの初期化

一部のエントリーモデル(FortiGate 30E/40F/60F など)には、背面または側面にリセットボタン(小さなピンホール)が搭載されています。

手順

  1. FortiGateの電源を入れた状態で、
    リセットボタンを10〜15秒間長押しします。
  2. STATUSランプが点滅したら手を離します。
  3. 自動的に再起動 → 初期状態で起動。

この方法は現場で手早くリセットしたい場合に有効です。

初期状態のデフォルト情報

項目 内容
管理IPアドレス 192.168.1.99 / 24(機種によっては 192.168.0.1 の場合もあり)
管理ユーザー admin
パスワード なし(空欄)
アクセス方法 HTTPSまたはコンソール

※ネットワークに接続できない場合は、PCを同一セグメント(例:192.168.1.x)に固定し、ブラウザでhttps://192.168.1.99 にアクセスしてください。

初期化前の注意点

  • 設定のバックアップは必ず取得
    CLIから: execute backup config tftp <filename> <tftp_server_ip> GUIから:
    System → Maintenance → Backup を選択。
  • FortiGuardライセンスはアカウント紐付け
    WebフィルタやIPSなどの契約情報はFortinetクラウドに紐付くため、
    初期化後も再ログインで引き継がれます。
  • ログ・証明書・VPN情報も全削除
    特に業務ネットワークでは、証明書や鍵を事前にバックアップしてください。
  • ファームウェアはそのまま保持
    工場出荷時バージョンに戻るわけではありません。
    現在のFortiOSバージョンでデフォルト設定にリセットされます。

初期化後の再設定ステップ

  1. 管理者パスワード設定 config system admin edit admin set password <新しいパスワード> end
  2. LAN/WAN設定を再構築
  3. 静的ルーティングまたはSD-WAN設定
  4. セキュリティポリシー(Firewall Policy)構築
  5. FortiGuard通信確認
  6. バックアップから設定復元(必要に応じて)

まとめ:目的別に見る最適な初期化方法

シナリオ 推奨方法 メリット
通常の再構築 CLI(execute factoryreset 安定・確実・詳細制御可
GUIにログイン可能 Web GUI(Factory Reset) 視覚的で安全
パスワード忘失 コンソール(Maintainerモード) 最終手段として有効
手早い現場作業 物理ボタンリセット ツール不要で即実施可

以上、FortiGateの初期化についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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