FortiGateを再構築したい場合や、設定トラブル・パスワード紛失時に行う「初期化(Factory Reset)」は、システム全体を出荷時の状態に戻す操作です。
ここでは、CLI・Web GUI・コンソール接続(パスワード紛失時)・物理リセットボタンの4つの方法を中心に、安全かつ確実に初期化するための手順と注意点を徹底解説します。
初期化(Factory Reset)とは、FortiGateに保存されたすべての設定を削除し、工場出荷時のデフォルト設定に戻す操作です。
これにより、過去に設定したポリシー・ルーティング・VPN・管理者情報などが完全に消去され、ゼロから再設定が可能になります。
ただし、現在インストールされているファームウェア(FortiOS)自体は保持される点に注意してください。
つまり「設定のみ初期化」「OSはそのまま」という挙動です。
もっとも確実で推奨される方法です。
SSHまたはコンソール経由でFortiGateに管理者権限で接続し、以下の手順を実行します。
login: admin Password: (現在の管理者パスワード)execute factoryresetThis operation will reset the system to factory default! Do you want to continue? (y/n) yexecute factoryreset-shutdown管理パスワードを知っており、GUI(ブラウザ管理画面)にログインできる場合は、GUIからも初期化可能です。
操作が視覚的で分かりやすく、管理者が複数いる環境では安全に実施できます。
https://192.168.1.99/ (初期設定の場合)管理パスワードを忘れた場合、CLIにもGUIにもアクセスできません。
この場合、コンソール接続による初期化が必要です。
Press any key to display configuration menu一部モデルでは、ブート直後(起動から約30秒間のみ)maintainer アカウントでログインできます。
login: maintainer
password: bcpb<シリアル番号>
※シリアル番号の英字は大文字、入力は高速に行う必要があります。
このモードが無効化されている場合もあるため、最新モデルでは使用できないこともあります。
一部のエントリーモデル(FortiGate 30E/40F/60F など)には、背面または側面にリセットボタン(小さなピンホール)が搭載されています。
この方法は現場で手早くリセットしたい場合に有効です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 管理IPアドレス | 192.168.1.99 / 24(機種によっては 192.168.0.1 の場合もあり) |
| 管理ユーザー | admin |
| パスワード | なし(空欄) |
| アクセス方法 | HTTPSまたはコンソール |
※ネットワークに接続できない場合は、PCを同一セグメント(例:192.168.1.x)に固定し、ブラウザでhttps://192.168.1.99 にアクセスしてください。
execute backup config tftp <filename> <tftp_server_ip> GUIから:config system admin edit admin set password <新しいパスワード> end| シナリオ | 推奨方法 | メリット |
|---|---|---|
| 通常の再構築 | CLI(execute factoryreset) |
安定・確実・詳細制御可 |
| GUIにログイン可能 | Web GUI(Factory Reset) | 視覚的で安全 |
| パスワード忘失 | コンソール(Maintainerモード) | 最終手段として有効 |
| 手早い現場作業 | 物理ボタンリセット | ツール不要で即実施可 |
以上、FortiGateの初期化についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。