FortiGateファイアウォールで「パケットロス(Packet Loss)」を確認する方法について、ネットワーク管理者として知っておきたいポイントを、GUI(Web管理画面)とCLI(コマンドラインインターフェース)の両方から詳細に解説します。
また、トラブルシューティングの手順や典型的な原因についても触れておきます。
パケットロスとは、ネットワークを通るべきパケット(データの単位)が途中で失われてしまう現象で、FortiGateでは以下の観点で確認します。
diagnose hardware deviceinfo nic <インターフェース名>
例
diagnose hardware deviceinfo nic port1
出力の中で以下をチェック
RX errors
(受信エラー)TX errors
(送信エラー)RX dropped
/ TX dropped
RX overruns
/ TX overruns
※ dropped
やerrors
がカウントされている場合、パケットロスの可能性が高いです。
execute ping-options source <送信元インターフェースのIP>
execute ping <宛先IP>
例
execute ping-options source 192.168.1.1
execute ping 8.8.8.8
% packet loss
が出る場合、途中の経路で問題が発生している可能性があります。
execute traceroute <宛先IP>
これはパケットの経路を確認するツールで、途中のノードで止まるようであれば、その地点に問題がある可能性があります。
セッション数が限界近いとパケット処理が遅延・ロスすることがあります。
get system performance status
出力例(重要な項目)
CPU states
→ システム負荷が高すぎると処理落ちが発生Memory
→ RAMが逼迫していないかAverage sessions
→ 最大セッション数の上限に近づいていないか
diagnose sys session list
特定の宛先にセッションが過剰に集中している場合、ルーティング異常やDoS攻撃の影響も疑えます。
diagnose sniffer packet any 'host <IPアドレス>' 4
これでパケットの流れや途中で止まっている様子を直接確認可能です。
原因 | 確認方法 / 対処 |
---|---|
インターフェースエラー | NIC統計情報でエラーやドロップ確認/ケーブル交換など |
MTUミスマッチ | ping でフラグ付きサイズチェック/適切なMTUに設定 |
セッション数オーバー | セッションステータス確認/不要な通信制限 |
高CPUやメモリ消費 | get system performance status /設定見直し、再起動 |
外部ネットワークやISPの問題 | traceroute で経路確認/外部機器にPing |
DDoS/DoS攻撃など外部要因 | ログ分析/IPS・DoSポリシー適用 |
GUIの「Log & Report > Forward Traffic」や「Event Log > System」などから、通信異常やARPエラー、IP変換エラーなどのログも確認できます。
観点 | 使用ツール/画面 |
---|---|
基本的な診断 | ping , traceroute |
ハードウェア情報 | diagnose hardware |
セッション管理 | get system performance status |
GUI確認 | Interface, CPU/Memory, Logs |
以上、FortiGateのパケットロスの確認方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。