FortiGate(フォーティゲート)のブラックリスト機能は、ネットワークセキュリティを強化するための強力なツールであり、特定のIPアドレス、ドメイン、URL、アプリケーションなどをブロックして、マルウェア感染、スパム、フィッシング、不要なアクセスからネットワークを保護する役割を果たします。
以下に、FortiGateのブラックリストの仕組み、種類、設定方法、運用上の注意点などを詳細に解説します。
ブラックリスト(blacklist)とは、「アクセスを許可しない対象のリスト」です。
FortiGateでは、このリストを使って指定された項目へのアクセスを明示的に遮断できます。
FortiGateはこれらをセキュリティポリシーやフィルタリング機能と組み合わせて使用します。
Security Profiles > Web Filter
を開くStatic URL Filter
セクションで「Enable」→「Create New」URL
にブロックしたいドメインを入力(例:example.com)Type
を「Simple」または「Wildcard」Action
を「Block」
config firewall address
edit "malicious_ip_list"
set type iprange
set subnet 192.168.10.10 255.255.255.255
next
end
config firewall policy
edit 0
set name "Block malicious IP"
set srcintf "lan"
set dstintf "wan"
set srcaddr "all"
set dstaddr "malicious_ip_list"
set action deny
set schedule "always"
set service "ALL"
next
end
ブラックリストによるブロックは、ログに詳細が記録されるため、次の方法で監視やトラブルシュートが可能です。
項目 | 説明 |
---|---|
過検知・誤検知 | 正常な通信もブロックする可能性があるため、ホワイトリスト機能との併用が重要 |
更新管理 | 手動ブラックリストの場合は定期的に更新や見直しが必要 |
ユーザー影響の事前確認 | 重要な業務サイトがブロックされないよう検証環境で事前テスト推奨 |
ログ監査体制 | ブロックが業務に影響していないか、日次または週次で監査 |
FortiGateはFortinet社の提供するFortiGuard Security Servicesと連携することで、リアルタイムで世界中の脅威情報に基づいたブラックリストを自動で適用できます。
FortiGuard機能 | 内容 |
---|---|
Web Filtering | 200以上のカテゴリ分類でURLを自動判別しブラックリスト化 |
AntiVirus | マルウェア配信元のドメイン/IPをブロック |
IP Reputation | ボットネットやスパム送信元を自動遮断 |
Botnet C&C Blocking | コマンド&コントロール通信を検知・遮断 |
FortiGateのブラックリスト機能は、次のような目的で極めて有効です。
セキュリティの運用においては、「何をブラックリストに入れるか」よりも、「なぜ入れるか」「どのように影響するか」を定期的に見直す体制が重要です。
また、ブラックリスト単体ではなく、ホワイトリストや侵入防止(IPS)など他の機能との併用がセキュリティレベルを大きく向上させます。
以上、FortiGateのブラックリストについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。