FortiGateには大きく分けて 「NAT/Route(NAT)モード」 と 「Transparent(ブリッジ)モード」 の2種類の動作モードがあります。
そのうち NATモード は、FortiGateがルーターのように動作し、サブネットを分けながら必要に応じてNAT(Network Address Translation)を行う形態です。
企業ネットワークのインターネット接続やUTM導入では、このNATモードが最も一般的に使われています。
192.168.1.10 → 203.x.x.x
203.x.x.x:80 → 192.168.1.100:80
set nat-source-vip enable
を使えば、VIPに対して双方向的な変換を適用できます。項目 | NAT/Route(NAT)モード | Transparent(ブリッジ)モード |
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動作層 | L3(ルータ/GWとして動作) | L2(ブリッジとして動作) |
IFアドレス | 各インターフェースにIP割り当て | 管理IPのみ(ポート自体は基本無IP) |
ルーティング | 利用可能(静的/動的ルーティング) | 原則なし(L2転送が基本) |
NAT | 利用可能(GUI/CLI両方) | 利用可能(ただしCLI中心で制限あり) |
公開サーバ | VIPによるDNATが標準 | VIPによるDNATも可能(主にCLI設定) |
UTM機能 | 全機能利用可能 | 多くの機能が利用可能(設計依存) |
補足:透明モードは「通常はアドレス変換を行わない」と説明されることがありますが、実際にはCLIでNATを有効化可能です。
FortiGateのNATモードは、企業ネットワークにおいて最も一般的な導入形態です。
内部ネットワークの隠蔽、外部公開サーバの制御、柔軟なセキュリティ適用といった点で優れており、境界ファイアウォールとしての役割を果たす際に基本となります。
以上、FortiGateのNATモードについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。